Kleinod Ⅴ (ページ43)

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京本「…あれ、」
目を開けると、そこは見慣れた基地の中の自分の部屋だった。
ジェシー「大我！」
キン、と耳鳴りのする大声に思わず耳を塞ぐ。
ジェシー「よかった！あの、一応解毒剤打ったんだけどね、えっと、身体悪いとかない？」
京本「…どういう状況？」
ジェシー「あのねあのね！こっち来て！」

体調を聞いておいて無理矢理京本を立たせたジェシーは、食卓の方へと向かわせる。
高地「…あ、」
食卓のプチスペースで、松村にべったりくっつかれながら正座させられている高地の姿が目に入った。
京本「…連れ戻せたんだ」
ジェシー「うん、俺頑張ったんだよ！」

高地「この度は…多大なるご迷惑をおかけし誠に申し訳…ぐえっ！」
京本「本当だよクソ班長この野郎お前マジでさぁ！」
ジェシー「わー！！大我ストップストップ！こーち死んじゃう！」
何だかその姿を見たら安堵感と共に苛立ちが込みあがって、思わず彼にヘッドロックをかけてしまった。
京本「…で、北斗どうしたのこれ」
ジェシー「今気持ち落ち着かせてるところだって」

森本「樹起きた！」
田中「あの、慎太郎、下ろして…」
バーン！とドアを開け、俵抱きにされた田中と共に部屋に入ってきた森本は、京本の姿を見ると目を丸くする。

森本「きょも！よかったぁ！」
床に降ろされた田中は、下ろされるなり京本の前に行くと見事なまでの土下座をかます。
田中「たいっへん申し訳ございませんでした！！！！」
どうやら「あれ」が京本を誑かして毒を食わせた事への謝罪らしい。
京本「いや…樹何もしてないじゃん…」
田中「でも俺の毒の所為で…」
京本「俺も自分で食いにいったのもあるからさ…それより怒るのは高地でしょ…」

全員、いや松村以外の視線が高地の方に向けられる。
高地「…はい、」
この後、釈明と事情説明とその他諸々におおよそ2時間の時間を要した。