Kleinod Ⅳ (ページ7)

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森本「…何でなんだろう」
自分たちに連絡してきてくれても、おかしくない。
いや、寧ろ高地と自分たち、ならまだしも、高地だけ、って。
森本「…エイルさんも、何か考えがあるのかな」
ジェシー「考えって？」
森本「…班長の高地にしか頼めない事とか？」
ジェシー「慎太郎はさ、高地の事信じてる？」

どうなのだろうか。
京本と田中は高地の事を信用しきれていない。
松村はわからないけど、彼の事を考えるなら信用しているだろう。
じゃあ、自分は？自分たちは？
森本「…高地は、何て言ってるんだろう」
ジェシー「繋がってない、って言ってるって。でも大我はその言葉は信用してないって」

少しばかり考える。
信じたら、どうなる？信じなかったら、どうなる？
森本「…どっちでも、エイルさんは、結局会えないままだよね」
ジェシー「慎太郎？」
森本「信じたら、会えるの？信じなかったら、会えるの？…多分どっちでも、会えないよね。エイルさんには」
ジェシー「…確証はないねぇ」
だってきっと、会えるのならもう秘密裏に顔を見せて今の現状を話してくれるはずじゃないか。

森本「だったら、どっちでもいいよ、俺は」
ジェシー「…」
森本「どっちでもいいから、信じてるよ」
ジェシー「…良かった。慎太郎まで「信じてない」って言ったらどうしようかと思った」
森本「ジェシーは信じてたの？」
ジェシー「んー？信じてる、当たり前じゃん。だってこーちだもん」
そう自信たっぷりの声で、ジェシーはふふん、と得意気な顔をした。