Kleinod (ページ5)

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森本『北斗がほとんど倒してくれたよ！』
田中『ん、了解。じゃあジェシー、仕上げしといて。慎太郎は北斗と遊びながら外逃げといて、こーちは回収する～』
「っしゃおらぁ！！！」
輩と同義になりそうな雄叫びを上げ、先程までその大きな体と剣を天井裏に忍ばせていた紅緋のチョーカーをつける青年はフロアに降り立った。

煙も大分晴れ、代わりに少々、いや大分赤が目立つその場所に降り立って、遊ぶようにフロアを見物する。
「おろ？」
その仲に、蠢く何かがあった。
よくよく近付いてみると、どうやらかろうじて息のあるディーラーのようだった。

「おにいさぁん、大変だね？」
クルクル、クルクル、男の周りを弄ぶように動く彼に、男から「たすけてくれ」という悲鳴が上がる。
「助けてほしい？」
その言葉に立ち止まったかと思えば今度は身体をゆらゆらと動かしながら、青年は問う。

「じゃあLet's choose!選びなよ。燃やされるかぁ、こいつで刺されるか！」
ほら、苦しみから解放されるでしょう？そうニヤニヤ笑う彼に、男はかぶりを振った。死にたくない、と拒否する彼に、飛び込んできたのは指を鳴らす音と揺らめく炎。
「ごっめーん！ちょっとあまりにも待ちすぎて寒くって！勝手に選んじゃった」
ディーラーを包む炎を見ながら、青年は再び動き始める。

「やっぱりじっとしてるの無理だ！AHAHAHAHAHA！！」

＊

■ジェシー
近接。武器は大剣。
紅緋のチョーカーを着ける男。
後天性能力は「火炎」。副作用は「低体温」。
指先１つで火を出す事が出来るし、望めば人１人燃やすくらいの炎は出せる。たまに煙草用の火をつけろって言われるのは何だかあれだけど。燃やされるか、この大剣で死ぬか、さぁWhich do you like?君の命は灯火は俺が握っているんだよ？
じっとしていたら寒くて寒くて死んでしまいそうになる。まるで雪山で遭難したかのような寒さと眠気。だから彼はいつでも動き回っている。ほんの慰め程度にしかならないけど、動いていると寒さがマシになるような気がして。