かくやすぶっけん《雪》

さんじゅう。にんきもの。紫、白。 ページ32

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カランカラン…



「いらっしゃいませ〜、お！」


ラ「こんにちはっ」


顔を出したのは、制服姿のらうちゃん。

彼はこうして、たまに学校帰りにお店に来てくれる。



.




「学校お疲れさま。」

ラ「Aちゃんに会いに来ちゃった。」

「もー、なに可愛い〜。」



らうちゃんは大人っぽくて、シェアハウスにいるときはあまり感じないけど。

こうして制服を着ているときに会うと、末っ子だということを思い出す。



.




ラ「チョココロネにしようかなぁ。」

「いいね〜！美味しいもんね。」

ラ「明日テストがあってね、勉強しながら食べるんだ〜。」

「そうなんだ！大変だね」

ラ「やだな〜…」



.




カランカラン…



「いらっしゃいま…」

辰「よっ。」

ラ「あ！！ふっかさんだー！！」



「ありがとうございます、お仕事終わったところですか？」

辰「そう。ミニクロワッサン買いに来た。」

「最近好きですね、それ。笑」

辰「うん、そうなの。笑」



.




夏用とは言え、スーツを着て仕事をしている彼。


ジャケットのボタンを外し、苦しそうにネクタイを緩める仕草に…

少しだけ、見惚れた。




「…暑くないですか？」

辰「や、正直めっちゃ暑いよね。」

「ですよね…笑」





それぞれの"制服"の話に花が咲き。

時間を忘れること数分間。



ふと外を見ると、

らうちゃんと同じ高校と思われる制服姿の女の子が数人、道路の向こう側から、お店を見ていることに気がついた。

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