優秀な妹さん【土方十四郎】 (ページ29)

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沖)ダメでさァ

A)…え？なんで？

沖)姉上とAはさっきも言ったとおり、顔は全く違いまさァだけど雰囲気が似てまさァ
姉上は優しくて、綺麗で、華やかで、綺麗で、
Aはガサツで、少し可愛くて、ガサツで、やっぱ少しゴリラで、

A)…(ゴリラって……)

沖)姉上の方が比べ物にならないほどですがィ

Aは姉上と違って、この綺麗な髪を持ってまさァ

俺はこの髪が好きでさァ

なんせ綺麗だから

A)…総悟、照れるからやめて///

沖)だから、切っちゃダメですぜィ

そもそもなんで切るんでさァ

A)え、うーん…

Aは沖田に理由を伝えたくなかった。

Aが長い髪を切ろうとした理由は、

土方である。

ミツバは、Aが土方を思っていることを知っていた。

大切に育て上げたAには、土方と共に、幸せになって欲しかったと言う。

そんなミツバの切な思いを、ミツバがいなくなったことを利用しているように思え、Aは到底できないと思ったらしい。

自分は失恋した。そう思って忘れよう。

それが、Aの、髪を切ろうとした理由である。

Aは沖田に理由を伝えた。

A)総悟、ミツバ姉さんになんだか申し訳ないよ

だから…

沖)そんな理由で切ろうとしてたなら、余計に止めといてよかったでさァ

姉上がAの幸せを願っているのに、

どこにそれを受け取れない理由があるんでさァ

姉上の分まで、俺はAに幸せになって欲しい

たとえ相手が土方だろうと、

Aまで辛い思いすんのは勘弁でさァ

A)……総悟、

私、女の子になっていいよね。

女の子らしく、女性らしく、

恋していいよね。

沖)あたりまえでさァ

Aは泣いた。沖田はそれを受け止めた。

2人は互いに笑い合うと、屯所へ改めて向かった。