生誕祭 〜2〜 ページ2
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「立花、どっちが言う?」
「忍、お願い。」
そう言うとみんなが少し驚いたように私を見る。
「え、アーヤも関係してんの?」
うん。まあね。
忍がゆっくりと口を開いた。
「あのさ、今日美門から聞いたんだけど今度小塚の誕生日らしいじゃん。それでさ、みんなでサプライズパーティやらないって、話しててさ。どう?」
みんなが顔を見合わせる。
そして1番に若武が少し不機嫌そうに口を開いた。
「...何で小塚だけなんだよ。俺、祝われてないんだけど。」
キョトンとして私と忍は顔を見合わせる。
「え、若武って誕生日もう過ぎてたの?」
「ね。私も知らなかった。」
「ん。っていうか俺、何となく若武は2月とか3月とか遅めだと思ってた。」
え、何で?
「いや、だってさ若武ってこの中じゃ結構精神年齢低いからさ遅いのかなぁって思うじゃん。」
ケロリと言った忍の言葉に思わず私たちは吹き出す。
...若武以外は。
若武が顔を真っ赤にさせて怒鳴った。
「おい、七鬼!それはどういうことだ!もう1回言ってみろ!!」
だけど忍はなぜ若武が怒っているのか分からないようでパチパチと目を瞬かせながら言った。
「え、だから精神年齢低いからさ誕生日遅めだと思ってた。」
若武はますます真っ赤になり怒りに震え始め、私たちは爆笑し始めた。
翼と上杉くんなんかは目に涙を浮かべて笑っている。
「...七鬼ぃ!お前らも笑うんじゃねぇっ!!」
若武は机にバンっと手をついて私たちを睨み回した。
その表情はもう爆発寸前!
面倒なことになりそうだったから私は慌てて口を開いた。
「若武っ!遅くなったけどお誕生日おめでとう!私よりも年上なんだね!流石、リーダー!」
そう言うと若武はにまっと笑い、そのまま無事元の席に戻っていった。
ホッ。
若武が単純で良かった。
心の中で安心していると翼がじっと私を見つめていた。
「何?」
「いや、私より年上っていうことはアーヤ、誕生日まだなんだよね?いつなの?」
私の?
んっとね...
「11月3日」
「...え、もうすぐじゃん!」
うん。確かにもうすぐかもね。
すると、突然みんなが視線を交わし始めたんだ。
え、何?
戸惑いつつもそれを眺めていたんだけど...あまりにも長かったから我慢しきれず私は口を開く。
「まあ、もしみんなが一緒にお祝いしてくれないなら私、忍と小塚の3人でお祝いするんだけどね。」
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セダム(プロフ) - 利衣子さん» アーヤちゃんたちが通っている秀明という塾の伝統的なジャンケンらしいですよ!詳しくは"学校の都市伝説は知っている"の 20 秀明ジャンケン の216ページ辺りに載っているので是非読んでみてください* (2019年12月5日 1時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
利衣子 - あの秀明じゃんけんてなんですか? (2019年12月4日 20時) (レス) id: 77f3349879 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - セダムさん» うん、よろしく! (2018年10月29日 18時) (レス) id: 8828372d2c (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 愛さん» いえいえ、こちらこそ誘ってくれてありがとう!よろしくね! (2018年10月29日 18時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - セダムさん» セダム、合作の話美波から聞いたよ!一緒にしてくれてありがと!おかしく感じるかもしれないけど、私と美波で企画したから、ありがと!かな? (2018年10月29日 17時) (レス) id: 8828372d2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2018年10月22日 19時