20. 天才かもしれない 9 ページ22
.
どんな問題が出るのか分からなければ判断のしようもない。もし9問目までと同等の難易度だったら、サクラとサスケはともかく、ナルトはきっと危ういだろう。そして私も大分危険なのが実情。普通に考えれば棄権するのが手堅いだろう。
この第10問目は用紙に解答欄が無い。という事はもしかしたら、"マルかバツの札を上げてね" 的な簡単なクイズだったり……しないか。
隣を見てみれば、眉一つ動かさず静かに座っている我愛羅君。彼の試験用紙は知らない内に埋まっている。棄権なんて考えは一抹も無いのだろう。凄いなぁ。
だけど私だって、折角バンビが短い試験時間を割いて助けてくれたのに、それを無駄にする事は出来ない。どんな問題だったとしても、最後はちゃんと自分の力で突破しなきゃ。
それにさっき約束したし。サクラもカカシさんの名誉も守るって。
ごめん、ナルト。私は手を挙げない。だけどナルトもきっと挙げないでしょ？ 勇気ある君の事だから。その決断だって私には無視出来ない。
もしもウルトラスーパー難しい問題をぶつけられたら、一緒に下忍人生楽しもう。
「なめんじゃねぇ！！ オレは逃げねーぞ！！」
バン、と机を叩く音と一緒に上げられた大きな声。後ろを振り返る事は出来ないが、それは紛れもなくナルトの声だ。
「受けてやる！！ もし一生下忍になったって……意地でも火影になってやるから別にいいってばよ！！！」
ナルトはやっぱり……いや、想像以上に破天荒だ。試験官にキレるとは思わなかった。
「もう一度訊く……人生を賭けた選択だ。やめるなら今だぞ」
「まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ……オレの忍道だ！！」
でも、やっぱり真っ直ぐなところがナルトらしい。
彼の影響だろう、その後棄権を申し出る人は出てこなくなった。きっと皆の不安を振り払ってしまったんだ。
試験官達はお互い目を見合わせてこくりと頷いている。
ついに来る、運命の第10問目が。
「いい決意だ。では……ここに残った全員に……"第一の試験" 合格を言い渡す！！」
『……ええっ！？』
合格！？ 鈴取り演習の時もこんな事無かった！？ もう予想外の事が起こりすぎて疲れてきた。
「ちょ、ちょっとどういう事ですか！？ いきなり合格なんて！ 10問目の問題は！？」
「そんなものは初めから無いよ。言ってみれば "さっきの二択" が10問目だな」
イビキさんはニカッと微笑む。さっきまでの厳かで怖そうな雰囲気どこ行った！？
→
20. 天才かもしれない 10→←20. 天才かもしれない 8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いしだ(プロフ) - 桜子さん» 桜子さん、こちらにもコメントありがとうございます！前からお読みくださってたんですね！？ 期間が大分空いてしまっているのに、応援して下さりありがとうございます😭 (6月20日 0時) (
レス) id: aaa19f4bca (このIDを非表示/違反報告)
桜子 - もう更新されないと思ってたのに！本当にありがとうございます！これからも頑張ってください (6月19日 1時) (レス) id: b68e6ffcf4 (このIDを非表示/違反報告)
いしだ(プロフ) - ありがとうございます！これから頑張って参りますので、良かったら見守ってやってください（ ; ; ） (6月1日 23時) (レス) id: 8aac2975df (このIDを非表示/違反報告)
スパイスカレーがだいすき(プロフ) - めっちゃ久しぶりの更新とっても嬉しいです！！ (5月31日 23時) (レス) @page34 id: 1328bfef2e (このIDを非表示/違反報告)
いしだ(プロフ) - 温かいお言葉ありがとうございます(´；ω；｀)こんなに期間を空けてしまったにも関わらずお読み下さる方がいらっしゃるなんて感謝感激です…！！ (5月31日 14時) (レス) id: 8aac2975df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いしだ | 作成日時：2017年6月12日 11時
