おチビな鴎ガール 2

※ ページ37

井口side

この前大河と話してから、気をつけて見ていたはずだった。

なのに、Aがトレーニング場で熱出したって聞いて、大河じゃなくて、今度は、Aに無理させてしまったのでは？と直感的に思った。

すぐに、トレーニング場に向かうと、据え付けのベビーベッドで寝てるA。

『…。無理しちゃったんだな』


頭を撫でてやると、目を覚ました。

A『いぐちしゃん。』

『Aどうしたの？無理しちゃダメだよ。お熱出ちゃうでしょ』

A『…。でも…。おおきくならなきゃ』

やっぱり、何か無理してたな…もう少し引き出してみるか。

『そんなに、急いで大きくならなくていいのに』

A『…。それじゃだめなの。はやくなの…』

『僕は、Aに早く大きくなられちゃうと、寂しいなぁ。抱っこもまだまだしてたいしね』

A『でも、でも、にに たすけたい』

『…大河？？なんで？』

『にに、がんばってるもん。でも、Aがごはんちょびっとしかたべないとかなしそう。あんよちょびっとしかできないと、かなしそうなの』

あぁ。そうなんだ。この兄妹は本当に似ている。甘え下手で迷惑をかけまいと抱え込んでる。

涙を目にいっぱい溜めて、泣くのも我慢するAをそっと抱き上げた。

『A。そんなに頑張らなくていいんだよ。ご飯だって、運動だって、ゆっくり頑張ればいいの。少しずつ大きくなろう。』

そういって頭をなでてやると、わーって声をあげて泣き出した。


岡田『あっ。Aやっと、泣けましたね。ここ数日、泣くことも我慢してたから』

荻野『ほんとや。あー。やっと、いつものAに戻った』

泣き声で2人もホッとしている。


A。そんなに、急いで大きくならないで。
新生マリーンズと一緒にのんびり成長して行けばいいんだから…。






編集後記

玲奈さん、リクです。
思いの外、重めに仕上がっちゃいましたが作者的には好きなシチュエーションで創作意欲に身を任せた結果、長々したお話になりました。リクエストありがとうございます。

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