近くて、遠くて。 (ページ41)

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屋台に近づいていけば混み合っていく人の流れ

『離れちゃダメだからね』

って自然に手が繋がれた

そんな状況にあたふたする間もなく
人混みをぐんぐん進む大我先輩

人の流れに身を委ねてたどり着いたのは箸巻き屋さん

『これ、好き？』

｢あ、食べたいです！｣

その後はラムネを２本買って、
花火が綺麗に見えそうな場所に座った

『場所空いててよかったね』

｢座れてよかったですね｣

『立ち見とか足が死ぬからね』

なんて内容のない話をして花火が始まるのを待つ

『てか箸巻きうまっ！』

｢え、食べたことなかったんですか！｣

『この俺が食べたことあると思うか？』

わけの分からない主張だけど
妙に納得してしまう

｢それより、今日、私で良かったんですか？｣

ずっと気になっていたこと、
お誘いは嬉しかったけどなんで誘ってくれたのかなって

『なにが？』

｢高地先輩とか、北斗先輩とかと一緒に行かなくて良かったのかなって｣

『北斗は塾って言ってたし、高地は彼女と行くって言ってたから、
じゃあ俺はあんずちゃんかなーって思ったから』

『そっちこそ、幼馴染みくんとじゃなくて良かったの？』

｢最初こそ罪悪感あったけど、今は大我先輩と一緒にいれるのが嬉しいです｣

『ふーん』

ラムネをコロンと鳴らしながら興味なさげに呟いた

自分の中では勇気出したつもりだったのになぁって寂しくなる

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