近くて、遠くて。 (ページ40)

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大我先輩とのお祭りの日

お母さんに着付けてもらった紺色の浴衣、
直毛のせいであまりアレンジはできないけど
ポニーテールをして髪飾りをつけて

待ち合わせ場所に向かう

楽しみは抑えきれないみたいで
歩きにくくてもいつもより早足になっている

『やっほー』

そこにはシンプルな紺色の浴衣を身につけた
大我先輩が既に待っていた

『あそこから見えてたけどずっと走ってたの？』

｢え、｣

そんなとこから見られてたなんて、
絶対ニヤニヤしてたし変な顔してたよね

『可愛いなーって見てた子があんずちゃんだったから良かった』

｢なっ！ていうかあんずちゃんじゃないですって！｣

『浴衣の色、一緒だ』

｢すみません、女子っぽい色持ってなくて....｣

『いいじゃんお揃いだし、似合ってて可愛いよ』

｢あ、りがとうございます....｣

大我先輩って本心か本心じゃないかはよく分からないけど
甘い言葉を真っ直ぐ伝えてくるから本当に心臓が持たない

こうやってまんまと照れてる私を見て
また余裕そうに笑うんだ

『あと、結んでる方が好きかも』

｢....はい｣

『なにその返事(笑)』

ほら、行くよ？って
顔をのぞき込む先輩に頷いて、
夢のような時間が始まった

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