近くて、遠くて。 (ページ5)

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朝礼が始まり、先生が話をしている

ふと思い出すのはあの幽霊みたいな金髪の人のこと

何も考えていないような表情で外を眺める
あの人の姿が頭から離れなかった

三階って確か３年生の教室がある階っていってた気がする

どんな人なんだろう、どんな声なんだろうって
グルグル考えてるうちに朝礼は終わっていて、

横からの視線を感じてそっちに目をやると
ずっと私のことを見ている女の子がいた

｢え、っと、どうしたの？｣

『あ、えっと、仲良くなりたいなって』

緩く巻かれた髪を耳にかけて声をかけてくれたのは
首藤心ちゃんっていう子

『あ、心でいいから！』

｢じゃあ私もAでいいよ？｣

『うん...！A！』

照れくさそうに笑った顔は女の私でも惚れそうになるほどだった

『よかったじゃんAちゃ～ん女の子の友だちできて』

『Aの友だちなら俺も仲良くなりたい』

後ろから会話に混ざってきた慎太郎と樹くん

『あ、うんぜひ！』

『心ちゃんよろしくね～』

『首藤さんよろしく』

可愛い心を前にしてニヤニヤしてる２人に牽制をしておく

｢樹くんも慎太郎も心に手出しちゃダメだからね｣

『え～じゃあAちゃんならアリ？』

『樹、Aに手出しても意味ねぇから(笑)』

｢ねえそれどういう意味！｣

なんていつもの慎太郎の挑発に乗ってしまって、
また一限が始まるまで騒いでるのは私たち４人だけで
申し訳なく感じてしまった

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