近くて、遠くて。 (ページ23)

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映画を見たあとは
服屋さんや雑貨屋さんを巡った

意外にも慎太郎も樹くんもノリノリで
プリなんかも撮ったりして

充実した一日だったなあって
振り返りながら慎太郎の隣を歩く

『楽しかった？』

｢え？楽しかったよどうしたの(笑)｣

『え、なんとなく(笑)』

｢なんだそれ(笑)じゃあ慎太郎は？｣

少し悩む仕草を見せる慎太郎に
楽しめなかったのかなって少し不安になる

『楽しかったけど』

｢けど？｣

『....いいや、なんでもない』

｢うん、？｣

やっぱりここ最近、
言ってしまえば高校生になってから慎太郎が変な気がする

何度も言うけど高校生になるまではいつも一緒にいたわけではないし
幼馴染みといっても何でも知ってるってことではないんだけど

｢ねぇ慎太郎｣

『ん？』

｢慎太郎は好きな子、まだできてないの？｣

慎太郎のことあんま知らないなってことから
ふと思いついた話題

『まだ、ってどういう意味だよ(笑)』

｢高校入ったし、可愛い子多いしできたかなーって｣

『確かに、隣のクラスの相田さんとか可愛いよな』

｢へー、ああいう子がタイプなんだ？｣

『可愛いなって思うのは相田さんみたいな顔だけど
好きな子のタイプとは正反対だね』

｢え！好きな子いるんじゃん！誰！教えてよ｣

『やだよAには一生教えない』

｢うわー長年幼馴染みやってる私に教えないとか最悪だわ｣

なんて言う私のこの言葉に一瞬顔を歪めた気がしたのは気のせいだろうか

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