近くて、遠くて。 (ページ24)

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ＧＷも明けて、あっという間にキャンプの前日

前日とはいえ慎太郎は部活があるし
いつも通りひとりで学校をあとにする

なんだか上の方から視線を感じるんだけど
なんか嫌な感じがするからスルーして歩き続ける

そしたら今度は口笛が聞こえてきた

結局気になっちゃって振り返って見上げたら
そこにいた全ての犯人は大我先輩だった

『俺今ひとりだけど』

無駄に声を張るわけでもなく
いつも通りのテンションで聞こえるか聞こえないかくらいの声の先輩

｢あっ、すぐ行きます！！｣

せっかくの先輩からのお誘いを逃さないように
走って校舎へと戻った

『必死すぎでしょ』

急いで３階の空き教室に向かうと、
窓際の机に座っている先輩がこっちを見て笑っていた

｢だってせっかく声かけてもらえたから...！｣

『あんずみたい』

｢....あんず？｣

『俺んちのワンコ、呼んだら走ってくんの』

｢....そう、ですか｣

やっぱり大我先輩と話すと調子がもっていかれちゃう

大我先輩の独特の空気感というかなんというか

でも居心地は全く悪くなくて、
ドキドキはするけど心地よい

｢誰か待ってるんですか？｣

『そ』

｢それの暇つぶしに私ですか｣

『まあいいじゃんそっちだって俺と話したいって言ってたし』

｢まあ、そうなんですけど....｣

事実に変わりないけどいざ面と向かって言われると恥ずかしい

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