dream of (ページ37)

今日:52 hit、昨日:215 hit、合計:86,160 hit

37 ページ37

・

そして大我くんと一緒にコンビニを出れば
もう皆車の近くに集まっていて

「え、すごい…これ髙地くんの車？」

田中『どう見たって違ぇだろ、こんなファミリーカー』

髙地『これ親父に借りたやつだよ(笑)』

「けどこんな大きい車運転できるんだ、すごいね！」

樹のちょっとウザいツッコミは無視して車の周りをぐるぐる歩いてみる

本当にすごい、普通に尊敬する

京本『早く席決めじゃんけんしようよ』

髙地『とりあえずこっからの運転は俺するわ』

運転手が髙地くんに決まったところで
残りの5人でじゃんけんをした

勝った順に後ろから座っていくって感じで5人の中での1番負けが助手席

髙地くんの隣が嫌だとかそういうんじゃなくて、
ナビとか色々仕事が大変だからね

「えー、私一人勝ち！？」

そしたらまさかの1発一人勝ちで1番後ろの席に乗り込む

隣、誰になるんだろう

別に誰がいいとか誰が嫌とかそういうのはないんだけど、
まああわよくば…って願ってしまっている部分もある

一瞬だけスマホに目を向けて
うわ〜って声がしたからそっちに視線を戻す

その、“うわ〜”って誰が発した言葉なのかによって
捉え方は変わってくるんだけどね

もし私の隣になった人がそんなこと言ったもんなら、

松村『おはようだよね、まだ』

「あ…うん、まだ挨拶してなかったね、おはよ…」

松村『1番後ろゲットできた〜』

「後ろが良かったの？」

松村『寝てもバレなさそうじゃん？』

隣、松村くんなんだ

…シンプルに嬉しいや

悪戯な笑顔を向けてくれる松村くんにそんなことを思う

松村『京本も狙ってたらしいよ』

「え？」

松村『1番後ろ、というか貴方のお隣？』

「…なにそれ、(笑)」

ほら、と指差す先を見ると

項垂れた様子の大我くんが助手席に乗り込んでいて

髙地くんも“助手席大我だけは嫌だって思ってたんだけど〜”
って言いながらも楽しそうに笑ってる

「そんなこと考えてなさそうだけど？」

松村『そう？』

髙地『はーい全員シートベルト着けろよー』

それだけで松村くんとの会話は終わって車は動きはじめた

・