dream of (ページ36)

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「そんなに欲しいの何個もあるの？」

髙地『チョコ欲しいじゃん、けどしたらしょっぱい系欲しくなるし、てなったらまた甘いやつ食いたくなるし』

「永遠ループだ(笑)」

髙地『…いや、いっか！今日くらい、ねえ？』

京本『あー！ジェシーにチクろっかなあ』

髙地くんと2人、小さくなりながら話していたらいつの間にか後ろには大我くんがいて

私には分からない人の名前を出して企み顔をしている

隣の髙地くんは“大我お前さ〜……”って言いながら、
カゴに入っていたお菓子をいくつか元の場所に戻していて

髙地『お前ってマジでこういう時だけ気づくのな』

京本『俺髙地のことなんか全部お見通しだから』

髙地『適当言うなよ(笑)……あ、北斗〜樹来たよ』

文句を垂れ流しながら、恐らく松村くんと樹の元へ行ってしまった

京本『Aちゃんは好きなの選びなよ』

「そんなに怖い人…なの？さっきの方って」

京本『んはは、髙地愛が強い人なんよ、高校からの付き合いらしくて、たまたま被った講義で仲良くなったんだけど』

恋人、とかなのかな

多分健康を気遣ってってことだよね、
それはすごい深い愛……

京本『え、もしかして気にしてる？髙地のこと』

「…え？そう見える？(笑)」

京本『ううん、全く。けど可能性は消しときたいじゃん？』

可能性……？

何の可能性だろう

京本『俺ね、このお菓子好きなの』

私の頭にクエスチョンマークが浮かんでいることも気にせずに、さっきの髙地くんのように横にしゃがんできた大我くん

肩が一瞬触れて少しだけドキッとした

「じゃあ、買おうかな」

京本『いいよなら俺が出す』

「私が欲しくなったから買うの。ね、これ、皆食べられるやつ？」

京本『あー多分？』

「大丈夫？その…松村くんとか」

京本『なんで北斗？』

「…や、ほら、松村くん、好みわかんないから」

京本『なるほどね、これ前アイツらと食べたし大丈夫だよ』

好みがわかんないのは松村くんだけじゃない

正直樹だってそんなにわかんないし、ヤマちゃんも

けどこうやって咄嗟に名前が出てくるのは
彼には嫌われたくないからで

そして、少し不機嫌になった大我くんの姿に
初めて皆で飲んだ日の帰りに樹とヤマちゃんに言われたことを思い出してしまった

…そんなことないに決まってるけど

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