dream of (ページ6)

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田中『あ、A俺とヤマどっちが先に滑ったか判定して～』

樹に声を掛けられてハッとする

「僅差でヤマちゃんのが早かったかな～」

2人の要望通り答えてあげて、
またいがみ合ってる2人をボーっと眺める

高地くんはそんな2人の姿を見て楽しそうに笑ってるし

松村くんはジャングルジムに腰掛けてスマホをいじっている

私の人生の中で初めてかもしれない

こんな…ほぼ一目惚れって言えるような状態

恋って言いつつ、なんというか、好きとかはわかんないけど、だけど

どうしても松村くんばかり気にしてしまう

居酒屋で一瞬目が合っただけで、微笑んでくれただけで胸が高鳴って

…なんだか気持ちがふわふわする

京本『ねえ向こうにAちゃんが好きそうなのあったよ』

「…、え？」

そしてまた突然隣に現われた京本くん…じゃなくて、大我くん

いないな～って思ってたらそういうこと？

「向こう側行ってたの？」

京本『うん、なんか面白いのないかな～って』

「行ってみたい！どこどこ？」

京本『んは、危ないから気をつけてね』

さっきの松村くんのようにスマホで足元を照らしてくれて

その反対の手は私の手首に添えられた

そしてゆっくり指先へ彼の掌がおりていく

京本『Aちゃん危なっかしそうだし、酒飲んでるし、繋いどくね』

繋いだ大我くんの手は冷たくて少しビクッとしてしまった

その反応に気付いた大我くんはまた可愛らしい声で嬉しそうに笑う

京本『Aちゃんの手温かくて気持ちいいね』

「お酒、だから」

アルコールが入ったからかきっと普段より積極的になっている大我くん

彼に引かれて歩いていると、
風に乗ってアルコールと柔軟剤が混ざった香りがした

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