dream of (ページ43)

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結局その後も、松村くんと話すことはできないまま

京本『うはぁ〜、超楽しかったね』

「ね、楽しかった」

夜ご飯も食べて時間的にも帰る時間

髙地くんの運転で一人ひとり家まで送り届けてくれるらしい

助手席にいるのは松村くん

先に降りるヤマちゃんと大我くんが真ん中の列にいて、

1番最後で家の近い私と樹が最後列

楽しかったのはもちろんなんだけど、

朝以来松村くんと2人で話すタイミングも勇気もなくて、

樹に指摘されたのも相まって何してたんだろうって
車窓を眺めて今日1日を悔やむ

「…樹」

田中『なに？』

「眠い」

田中『寝ればいいじゃん』

「枕ないとむり」

可愛げのない言い方をする私を横目で見れば、

小さく舌打ちが聞こえる

“言う相手俺じゃないだろ”って溜息をつきながら
私の頭をクイッと自分の肩に寄せてくれた

田中『次は嫉妬作戦？』

「そんなわけないじゃん」

田中『メシとか、誘ってみるとか』

「それができたら苦労してないよ」

田中『まあそれもそうか』

肉がなくて骨張った樹の肩は痛かったけど

温かくてすぐに眠りについていたらしい

そしてその夢の中には松村くんがいて、

ただただ優しく笑いかけてくれていた

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