恋人ごっこ。-２- (ページ34)

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｢....じゃあもういますぐやめるしかないね！！｣

『....A』

｢そうか～北斗にもついに春が来たのか～｣

『....大げさだわ』

フッて鼻で笑った北斗がすごく幸せそうに見えて、

泣きたくなった

｢....ていうかそもそも、この恋人ごっこだって北斗の自分勝手で始まったんだし
最後まで自分勝手ってことでいいんじゃない？｣

『まじで振り回してごめん』

｢明日から護衛がいなくなるってことだからね？｣

『....そんな風に思ってなかったよ』

どうにかして涙を流さないでいいようにふざけて言ってる言葉なのに
そんな優しい声でそんな優しい言葉を言われると限界をむかえてしまいそう

｢....言いたいことはわかったしもう部屋戻っていい？｣

『え、あ....』

｢明日から朝待ってなくていいんだからね？｣

『....うん』

｢あとー一緒に帰らなくていいしー、お昼ももうバラバラでいいしー、｣

『A？』

｢....なに？｣

『短い期間だったけど楽しかった、本当に有難う』

北斗はどこまでもズルい男だ

なんでそんな悲しそうな表情をするの
北斗に別に好きな子ができて終わりにするって話なのに

｢....山本くんに言っとくね、棄権しますって｣

『....うん、お願い』

北斗の顔を見たくなくて背中を向けたまま

そのまま部屋に戻った

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それは秋真っ只中、冬の訪れをかすかに感じる頃だった

そんな季節に、北斗との恋人ごっこが終わった

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