恋人ごっこ。-２- (ページ33)

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指先をイジイジしながら深呼吸をした北斗

北斗から出てくる言葉が、今私が想像しているものじゃありませんように......

『単刀直入に言うと』

｢うん｣

『....もう、やめたくて』

｢....なにを？｣

『恋人ごっこ』

そんな私の願いも簡単に砕け散った

少し身体が震えた気がした、まだ寒くもないのに

震えてしまいそうな声に気付かれないように北斗に言葉を返す

｢....へー、約束より全然短かったね、っ｣

『....自分勝手でごめん』

｢全然大丈夫だけどさ、理由、知りたい｣

『....コンテストのやつ、偽ってまで出るのなんか気が進まなくて』

｢でも衣装も用意して色々準備してもらってるし、
せめて文化祭終わるまで、｣

『ごめん』

あと少しだけ、そんな小さな期待さえもたった一言で打ち消されてしまった

北斗の顔を見るけど、本人は下を俯いたまま

....まだ北斗の本心が聞けてない気がする、
多分、きっと、これが一番の理由なんだろうな

｢....あっ、好きな人、できたとか！？(笑)｣

わざとらしく明るく振る舞う

この質問の答えがＮｏであってくれと願いながら

『....そう、だね』

この声が耳に入ったとき、私は上手く笑えていただろうか

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