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「やっぱ北斗ってズレてるよね」
『どこがよ』
「暑いって言ってアイス食べてるのにそんな濃厚なの選ぶとか」
『美味いもんには勝てないのよ』
「ふーん」
公園の2つ並んでいるブランコに乗って
小さく揺れながら北斗とアイスを食べるって本当に幸せ
好きな人とならどんな些細なことでも楽しいって本当なんだなって
北斗は今どんな顔してるかなってチラ見すれば
溶け始めているソフトクリームに翻弄されていて
「北斗が何か食べてるとこって一生見てられる」
『ちょ、おま、馬鹿にしてんだろ』
コーンに溢れ出るソフトクリームを必死に舐めている北斗が
可愛いのにどこか色っぽさを併せもっていて
胸がキュンとなった
『....久々に一緒行く?』
ベトベトになった手をコンビニでもらったおしぼりで拭きながらそう呟いた北斗
Aのも余ってたら頂戴っていうから私の分のおしぼりも渡して
「え、っと、行くってどこに?」
『....夏祭り』
「....え」
『....Aに一緒に行きたい人がいなければ、だけど』
恥ずかしいのか居心地悪そうに俯いたまま私の方を見ようとしない北斗
たかが私相手に耳まで真っ赤にしてくれて少しからかいたくなってしまった
「....ほくちゃん?お耳が真っ赤ですよ?」
『....るせえ、黙れ』
「んふふ、北斗かわいい」
ブランコから下りて、北斗の顔を覗きこむために
北斗の前にしゃがんだ
「....っな、」
突然顎を掴まれ、少しずつ近づいてくる北斗の顔
反射的に目をつぶった
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作者名:ダイア | 作成日時:2021年10月8日 15時