恋人ごっこ。 (ページ34)

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少しの間があって恐る恐る目を開けば、北斗の真剣な目と重なる

｢....ほく、｣

『....このままキスしたらどうする？』

獲物を狙うような鋭い視線から目を離すことができない

目線はやがて私の唇付近まで下がる

どんどん早くなっていく心臓の音

覚悟を決めてもう一度目を閉じた、

｢....ハジメテは好きなやつのためにとっときなさい｣

のに、私のおでこをコツンと突いて離れていった北斗

なぜか悔しくて唇を噛みしめる

｢....キス、してくれないなら夏祭り一緒に行かない｣

『....何言ってんのお前、』

｢いいじゃんキスくらい、
好きでもない子と付き合うふりできるんだから｣

『A、？』

｢....付き合ってるんだもん、お願い....｣

しゃがみ込む私の前に戻ってきて、
両手で顔をそっと包んでてくれた

『後悔、しない？』

｢....しない｣

『....最初で最後だから』

そうして重ねられた北斗の唇

初めての感覚は息が詰まるようなものだった

ゆっくり唇が離れ、北斗の瞳が伏し目がちに私の目を捉える

『....甘』

｢北斗のアイスの味、でしょ？｣

『....かもな(笑)
これで俺と夏祭り行くってことでいいんだよな？』

｢....うん、楽しみにしてる｣

大好きな人との初めてのキスは甘くてソフトクリームの味がした

息ができなくなりそうな、苦しくて優しいキス

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