恋人ごっこ。 (ページ30)

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北斗side

高地は気の抜けた相づちを打ちながら

教室の空いてる席を適当に寄せて昼飯を食う準備を始めた

｢なんだよそっちから聞いといて｣

『Aちゃんが気の毒だな～って』

｢迷惑掛けてるのは承知の上だわ｣

『好きでもないのにそんな風に優しくしてんでしょ？』

｢そんな風ってどんな風だよ｣

『制服に着替えたのにわざわざ北斗のジャージ着せるとか』

それを聞いて自分の咀嚼が止まった

なぜか止めざるを得なかった、理由は分からない

『おーい北斗さーん、箸もお口も止まってますよ～』

｢....向こうが着ていたいって言うから着せただけ｣

『ふーん、そうなんだ、てっきり北斗の独占欲かと』

｢....まじでお前キモいこと言うなよ(笑)｣

自分の喉に何か引っかかってる気がして
勢いよく水を流し込んだ

でも、いくら飲んでも飲んでもその何かは消えることはなくて

『まあ俺はもう嘘ってことも分かった上で騙されるふりしてやるけど
自分勝手な行動でAちゃん傷つけたりすんなよ』

『お前の数少ない友だちで大事な幼馴染みなんだろ』

そうじゃん、俺とAは幼馴染みじゃん

高地が変なこというから勝手に意識しそうになってたけど

｢お前にそんな諭されるようなこと言われたかねえわ(笑)｣

でも引っかかってる何かは消えないまま、らしい

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