恋人ごっこ。 (ページ15)

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そんな私を追いかけるように走ってきた北斗

靴を履き替えて外に出ると腕を掴んできた

『お前もうちょっと上手くやれって』

｢だ、だって急にそんなこと言われてもどうしたらいいかわかんないんだもん｣

『....今から手繋ぐから』

｢え、｣

私が返事をするよりも早く手を絡ませてきた北斗

恋人つなぎではないけどさっきより格段に近づく距離に胸が高鳴りはじめる

『....いくぞ』

多くの生徒がいる中をずんずんずんずん進んでいく

もちろん周りからの注目は怖いくらいに集まってる

だけど、今北斗と手をつないで歩いてるのは自分だっていう
ほんの少しの優越感にも浸っていた

正門に近づくと、１人の男子がこっちに向かって手を振っていて

多分北斗のお友だちさんかな？

『よお北斗』

｢おう、なにやってんの？｣

なんて会話が始まったから手離した方がいいかなって思って
力を緩めたのに、逆に引き寄せるように、強く握られてしまった

『これが噂の北斗の幼馴染みちゃんね？』

｢あっ、高橋Aです！｣

『Aちゃんね分かるよ分かる(笑)』

『こいつこーち』

『おい！自己紹介くらい自分でさせろ(笑)
Aちゃん、高地優吾です、みんなからはこーちって呼ばれてるかな』

｢高地くん....｣

笑顔が印象的だなって思った

北斗にこんな素敵な友だちできたんだ....って少し感心もした

『てかもういい？俺帰りたいんだけど』

『んだよお前(笑)手繋いで見せつけやがって(笑)』

『じゃあな～こーち』

『おーう、またね～Aちゃ～ん』

｢あっ、高地くんバイバイ！！｣

高地くんと別れて、手をつないで２人、帰路を歩いた

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