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日が沈み、空が黒く染まりかけ始めた頃。
「さて、と。……じゃ、シャーナ、帰りが遅くなるかもしれないけどあとはよろしくね」
「うん……。気をつけてね？」
「もちろん」
ルーカスやユウゴを含めた、ゴールディ・ポンドに行きたいと望む子らと共に出発する。
わざわざ夜に出歩くのは、昼間だと
目的地に着く前に体力を消費していては、元も子もないとルーカスが提案したのだった。
さすがまとめ役だ。私には無い素質である。
みんなで痕跡を誤魔化したり、足音を立てないように歩いたりすること数時間。
それまで一言も声を発していなかったユウゴが、突然私の服の袖をクイクイと引っ張った。
「なあ、なんでお前も着いて来るんだよ」
「ちょっとユウゴ！ なんてこと言うの！」
「ち、違ぇよ！ 別に邪魔だとかそんなこと言ってんじゃなくて……」
ダイナに言い方を咎められ、真っ赤になって抗議をするものの、段々と声量が落ちていくユウゴ。
「ああ、それは僕も気になっていた。野良や追手から身を隠すくらいなら、僕らも何とかできる。それにそれはAもわかってくれているはずだ。なのになぜ、護衛なんて形で僕たちに着いて来てくれたんだい？」
「あー……それは」
彼らの疑問は至って普通のことだった。
きっと、彼らの見た本には、ウーゴ冒険記のように物語の中にヒントが組み込まれ、こう書かれてあったのだろう。
「脱獄に成功した子達の集まる"安全な"集落」だと。
私もまだ、もう既にゴールディ・ポンドがそうなっているという確証はない。
けれど、原作では実際あの場所は密猟場と化し、もはや安全どころかハウスにいた頃よりも悲惨な生活を送ることになっていた。
だからこその私だ。
もし安全だとしたら、シェルターに帰って残っているあの子たちもゴールディ・ポンドへ連れてくるし、もしそうでないとしたら密猟者達から全力で守るのみだ。
ルーカスたちが、一言も発さなくなった私を心配そうに見つめる。
「まだ安全と決まったわけじゃない。もしかしたら、鬼がいるかもしれない。だから、着いていくんだよ。守るためにね」
「！」
バイヨン卿やレウウィス大公やら、戦うのは怖い鬼もいるけれど。
またみんなで、安全な地で笑い合える日を送れるように。
「さあ、行こう」
私は密猟場を終わらせる。
第二章―完―
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白狐(プロフ) - けんまおし1016さん» コメントありがとうございます！ 応援して下さり本当にありがたいです……！ いつ再開させるか分かりませんが、きっと(多分)また更新し始めると思うので気長にお待ちくださいませ……！ 面白いと思っていただき良かったです🥰 (2022年8月8日 20時) (
レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - 更新頑張ってください！とてもおもしろいです！ (2022年8月8日 7時) (レス) @page18 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 夜桜桜愛さん» コメントありがとうございます！ ああっ、すみません！ 更新ストップさせちゃって……。今日か明日……もしくは来週……出来たら更新しますので。頑張ります！ (2021年9月19日 15時) (レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜桜愛(プロフ) - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2021年9月19日 15時) (レス) id: 612a16ad5c (このIDを非表示/違反報告)
月狐(プロフ) - ありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。まだまだ続く予定なので、応援していただけると幸いです！ (2021年6月12日 23時) (レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2021年2月6日 22時
