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私のその思いとは裏腹に、だんだんみんなの逃げる足が止まっていく。
調子に乗った奴らもいて、「やったれー」と野次を飛ばしてくる。
視界の端には、遠巻きに眺める先生が数人。
スマホを持っていることからして、多分警察やヒーローに通報しているのだろう。
なるべく早くしてくれるとありがたい、そろそろ私の骨がポッキリいってしまいそうだ。
「……ッチ、増援がきやがった」
「おま、気づいてんじゃねえよ。そういうセリフは間に合ってんだよ」
「理不尽すぎるだろお前」
「急に侵入してきた戦闘狂には言われたかない」
またもや始まった喧嘩に、増援に来たヒーローたちまでもが戸惑っている。
戸惑ってないで助けてください。
「こいつがどうなってもいいのか！」
「いや典型的すぎて」
「お前、もう黙ってろ！」
こいつ頭イカれてんのか、とブツクサ言い始めた戦闘狂にイラつきながら、ふと田中くんの姿が見えないことに気がついた。
どこ行ったの田中くん。
「その子から手を離せ！」
「ほら、君たちは避難して！」
戦闘狂に立ち向かうヒーローと、避難誘導をするヒーロー。
人数的にこの戦闘狂に負けるだろう。
仕方ない、骨が何本かいってしまうかもしれないが、この戦闘狂の腕から抜け出すか。
「……よっ」
「あ?!」
幸いにも、戦闘狂はあまり力を入れておらず、スルリと抜け出すことが出来た。
体のあちこちを触り、異常がないか確かめる。
少し肋骨が軋むものの、他に傷はない。
「す、すごい……本当に中学生か？」
「おま、お前……！ お前こそそういうのダメだろ！」
「知らんがな」
私と話していて油断したのか、戦闘狂は一気にヒーローに取り押さえられる。
少しだけ可哀想だなと思ったが、軋む肋骨を触って無へと戻った。
「先輩、無事ですか！」
騒ぎが一段落し、今まで姿が見えなかった田中くんが颯爽と駆け寄ってくる。
「うん、無事だけど。田中くんどこ行ってたの」
「先生を呼びに！」
「あ、逃げたわけじゃなかったんだ」
「先輩の中の俺ってなんなんですか」
口をへの字にしながらそう言う田中くんに、ごめんごめんと言えば、ひどいと嘘泣きを始める。
その一部始終を見ていたヒーローから、「すごいね、君！」と賞賛された。
すごいって言ったって、あれはたまたま戦闘狂の力が弱まっていただけの話だ。
私はそれをスルッと抜けただけ。
なんてことない。
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月狐(プロフ) - R_yomoyaさん» 二度目のコメントありがとうございます！ なるほど、最推しは相澤先生ですか。分かります、クソかっこいいですもんね(同担拒否だったらすみません)。どんどん爆発していってください！← (2021年7月11日 0時) (
レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - うひゃー！！！相澤先生！！！最推しと同じクラスとか爆発するんですが＼ボーン／ (2021年7月10日 23時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - 月狐さん» 勿論でございます…なんせMHA大好きなもので… (2021年7月9日 22時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
月狐(プロフ) - R_yomoyaさん» コメントありがとうございます！ 多分、R_yomoyadさんの思い浮かんでいる人物ですね（笑）白髪で思い浮かぶとは……もしや相当推してますね？(ただ言いたかっただけです、すみませんっっっ!!) (2021年7月9日 22時) (レス) id: 8c0c53f143 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - まって！？白髪！？え！？えもう1人しか思い浮かばへん！！え同期組！？よっしゃ救ったる(まだ確定してないのに勝手に気合い入れてる人) (2021年7月9日 21時) (レス) id: 53959ad895 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miitan11201/
作成日時：2021年6月10日 21時
