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変にあんなことを聞いてから無駄に意識をしてしまう
「A、なんか食べたいのある? 」
「え!?、な、なに!? 」
「や、コンビニ行くから聞いたんだけど」
そりゃそうだ。
無駄に驚きすぎた
「あ、ああ、 いやいいや大丈夫大丈夫 」
「あ、そう」
あさひが言ってた"好き"とはあまりにも繋がらないような態度で
家を出ていく
やっぱり勘違いなんじゃ?
変に心の中で引っかかって何事もうまく行かない
そんなことを考えながら外を眺めていたもんだから
いつの間にか夢の中
なんだかあったかくてふわ〜っとしたような空気感が心地よくて
目覚めは言うほど悪くなかった
「 ... ん
寝ちゃった... 」
この暖かさはこの毛布だったんだと気付く
ぱっと目を開けると透き通った白い肌に
目までかかる前髪とサラッとした鼻筋
これでもかって小さい顔に綺麗にパーツが並べられていた
「... ジフンがかけてくれたんだ 」
驚きよりも
なんとなくその儚さに見惚れてしまっていた
「 見過ぎ 」
「えっ... 」
パッと目を開けてニヤッと口角を上げるジフンは妙に色気が出ていて
ガッチリ目があった瞬間に獲物を捉えたかのような眼差しで
私は目を逸らさず、動けなくなっていた
「 ... そんなに見てどうしたいの 」
「 ... いや
き、 綺麗な顔だなって思ってただけ 、だよ 」
あからさまに戸惑いが隠せなかった
なんでそんな顔をして言うの。
今まで見せてこなかったくせに
タイミングを見計ってたかのようなその言葉
「じゃあ ...
もっと近くで見てみる? 」
そういってジフンは私の目の前に立ち
鼻先が触れるか触れないかの距離まで顔を近づけ
私を試すかのような眼差しで言った
さりげなく私の頭を支えるその左手が
どこかあったかくて、人の温もりでいっぱいになった優しさで
心臓が早く動くその裏腹に
このままでいたい、
そう思ってしまった。
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作者名:七々星 | 作成日時:2024年3月12日 1時