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「 ... ふぁに 」



気付いた時には目の前に今にでも泣き出しそうな子犬みたいな顔をした男の子




今私 ... 何された ... ?




当たり前に理解は追いつかない。




「もう気付かないフリやめてよ ... 」





やめたいよ。




気付いてしまいたいよ私だって。




この5ヶ月間人懐っこいジョンファンには何度となく救われてきて



私が1人で悔し泣きしてる時も



『Aちゃん 、 なかない




はい .. たべる ? オレンジ 』




ってわざわざ一口サイズにカットしてまだカタコトの日本語で




寄り添ってくれた。




最初はなんだこの可愛い子犬はって



そのくらいにしか思ってなかったんだけど





私が辛くてたまらない時




悔しい時




嬉しい時




私よりも泣いて私よりも悔しくて私よりも喜んでくれるジョンファンがなんだかキラキラしてて




あ〜 ... この人って太陽みたいな人だな〜 って




今まで私になかったもの



この人全部持ってるな〜 って





ただ練習して誰かに勝って




それで自分は頑張ったって認めて



結局自分の目標なんかどこにもなくて



目の前の人を追いかけて辿り着いた今がある






私の周りに誰もいなかったら




私は今きっとここにはいない。




「Aちゃん



... 好きになっても いいですか .. 」





私が寝てる時にそっと頬に触れて聞いてきたあの言葉





私は寝てたから...



私は何も聞いてないから 。




気付いてない "フリ" をした






『 ごめん、 また困らせちゃった




... だめだねおれ 』





そうやって照れ隠しをする顔は初めて見たかも、




不覚にもドキッとした自分が悔しい。



「 い、 今のは何もなかったことにしよう..



... ね ? 」



『それはむり


俺 いま ヌナと ちゅー した 』





.... え?なんてこと言うの⁉︎





『ヌナ顔赤いよ 恥ずかしいの? 可愛い〜 』




言うだけ言って先入ってるねって大袈裟に手を振りながらニコニコして宿舎に入るジョンファン






私この人に勝てないかも ...

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作者名:七々星 | 作成日時:2024年3月12日 1時

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