【HQ!!】逢瀬に溺れる

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私は最初、これは夢なんじゃないかと思った。




だって、月島蛍くんといえば、私の周りにも好きな子がたくさんいて、告白した子も沢山いて、同じだけ振られた子もいて。




私も何度か、友達に連れられて、月島くんのクラスに行ったことがある。








「ほら、あそこ！！ あそこで頬杖ついてるのが月島蛍くん！！」


「ほんと、かっこいい……」


「こっちチラッてみたよ！！」



そのとき月島くんはたしかに、私達のほうをちらりと見たけど、非常に面倒くさいなぁという顔で、一つため息をこぼしていただけだった。



そのため息にも悲鳴をあげる友達に、悪趣味だなぁと思ったのも覚えている。



でも、金色の髪は綺麗だった。



窓から差し込む日が当たって、柔らかそうに輝いていた。



でも、それでも、性格悪そうだなぁという印象が強すぎて。







『……考えてみると夢じゃない気が』



「は？ 夢？」



『なんでもないです』



さっきからにやにやと真っ黒な笑顔を浮かべる月島くんと、私の抱いた性格の悪そうな月島くんの印象が、うまいこと一致した。



月島くんは、急に落ち着いた私が不思議なのか、片眉をあげて、何かを言いたそうにしている。




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