検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:122,311 hit

#私は ページ20

.









.









「…何だ、また女か」






残念そうな素振りで、彼は肩を落とす。

バクバク波打つ心臓を抑え横を見ると、杏香が切羽詰まったように声を上げた。






「美樹!!早くそこから離れなさい!!」


「…え」


「その鬼は上弦!一旦距離を取って!!」






上弦の参と話していたのは、どうやら杏香の継子の美樹さんだったらしい。

赤色の結んだ髪を揺らし、彼女は素早く距離を取った。






「俺は弱者に興味は無い。早くここから失せろ」


「私もAも、これでも柱なんだけど?」


「…ほう」






見かけにはよらないものだな、と彼はひとつ頷き微笑む。






「俺の名前は猗窩座だ。勝負しよう」






と名乗った瞬間、彼は構えて物凄い速さでこちらに来る。

真っ直ぐに振りかざされた拳を瞬時に避け、大きく息を吸った。






「ーー梅の呼吸 弐ノ型 空梅雨」






スパッと腕を斬り、もう片方も斬ろうと刃先を向けると、またも拳が腹をめがけて飛んでくる。

方向を変えその腕を斬り落とすと、猗窩座は私から距離を取った。






「様子を見ようとしてみたが…、筋は通っているな。咄嗟の判断力が良い」


「どうも」


「Aと言ったか?どうだ、俺と同じ鬼になってみないか」






…はぁ?

鬼殺隊を鬼に勧誘するなんて阿保じゃないの??






「もしかして…煉獄さんにもそう言ったの?」


「ああ、杏寿朗は強かった。だが人間は鬼には勝てない。鬼になってさえいれば……、本当に惜しいことをした」






やはりコイツが煉獄さんを…!!



怒ったことでどうにかなる訳ではないが、私は腹の奥底から煮えたぎるような殺意を感じた。

刀を握る力を強めると、猗窩座はそんな私を見て口角を上げる。






「A!危ない!」


「!?」






いきなり名前を呼ばれ、背後から感じた狂気に向け刃を振るう。

見ると、そこには体格の良い鬼が数十匹も居た。






「何でこんなに…!?鬼は群れないんじゃないの!?」


「恐らく血鬼術を操る鬼がいるんでしょう。私と師匠で相手しますから、梅柱様は猗窩座を」






そう冷静に分析した美樹さんの額にも汗が浮かんでいる。



これは……酷い状況だ。

上弦を一人で相手取るとなると、勝てるかも怪しい。






「邪魔が入ったか…」






だけど、私は煉獄さんに‘ 守り通せ ’と言われたんだ。









「猗窩座、私はお前に勝つ」









負ける等、論外。

#人→←#紅梅色



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (188 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
261人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , 悪女
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。