#煉獄 ページ16
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「花河…美樹…」
「
知っているも何も、彼女は今回の任務で私より先に現地に行っていた子だ。
彼女の鎹烏から、近くにいた私へと救援を呼ばれた。
……どういうこと?
「私は彼女から助けを呼ばれ、そこに向かっただけです。着いたときには既に亡くなっている方も……」
「いいや!お前が無駄話をして向かうのが遅れ、中々現れないお前に代わって花河が助っ人として参戦したと聞いたぞ?」
「………何、それ」
鎹烏に導かれ私が着くと、彼女の身はもうボロボロだった。
そこで私が刀を抜き鬼を斬ったというのが真実だ。
まさか、自分の失敗を私になすりつけたのか?
許せない。
そんな陰湿なことをしても、鬼には勝てないというのが判らないのか。
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「私の継子ね、根は優しい子なんだよ」
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脳裏に、杏香の声が蘇った。
私は開きかけた口を閉じ、今も尚こちらを睨み続けている煉獄さんに向き直る。
こんなことで怒っていては駄目だ。
しのぶさんのような立派な人になれるよう、私はーーー
「そうです、私の到着が遅れたことが今回の事態を引き起こしました」
自分を殺す。
美樹さんが嘘を吐いたのにも、きっと理由がある筈だ。
自分の主張をする前に、まずはその結果を呑み込まなければいけない。
「やっと認めたか……」
「ですが!私は仮にも柱。人々の命が脅かされていると聞いて尚、のうのうと談笑している程阿保ではありません」
「!」
「私は人々に危害を加える鬼を必ず滅殺します。皆が幸せになれるというならーーー」
「この命、差し出してあげましょう」
煉獄さんの目を見て、私はハッキリ言い通した。
すると彼は、顔を歪めてぐしゃぐしゃと乱暴に私の頭を撫で回す。
「…そんなことは誰だってできる!お前は全然分かっていない!!」
「ッ」
「お前が死んだら、誰がその後の彼らの命を保証する!?
いいか!?大切な人は、生きて守り通すんだ!!!」
その言葉に思わず涙腺が崩壊しそうになった私から、彼は手を離す。
「……疑って悪かった」
そう呟き、煉獄さんは街並みへと消えていった_________
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Runa - 紅乱さん» 一気読みだなんて!めちゃくちゃ嬉しいです!杏香をそのように言ってもらえありがとうございます!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 永久さん» 最後までお読み頂きありがとうございます!!貴方様のコメントで泣きます!!!!! (2020年1月18日 11時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - 完結おめでとうございます!!もう本当に!!泣きます!!!!! (2020年1月17日 17時) (レス) id: 75d8805815 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 今日見つけて一気読みしてしまいました!杏香ちゃん良い子すぎて泣ける…… (2020年1月16日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
Runa - 雫さん» それなあああです!!こんな親友私もめちゃ憧れます! (2020年1月16日 18時) (レス) id: e03723cf47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Runa | 作成日時:2019年12月5日 23時