◇130 ページ32
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あ〜あ、言っちゃったよ。
しかもオフィスとか。
肩にかけてるバッグの持ち手の部分をギュっと握りしめて、カツカツヒール音を響かせながらオフィスを出れば、黒木さんとぶつかりそうになった。
私の顔を見て一瞬だけ驚いたみたいだったけれど、次の瞬間には見下すような顔をして、フフ…って鼻で笑った。
「あのさ！」
黒「……なんですか」
「仕事出来て凄いカッコ良いと思ってたけど！女としては大っ嫌い！！！」
黒「なっ……！！私だって！！」
「そうですか！！さよーなら！！」
ほとんど八つ当たり。
酷い言葉を投げつけた自覚もある。
でも、彼女に腹を立てたのは事実だし、最初に傷付けるような言葉を投げてきたのはあっちの方だ。
そんな自己防衛みたいなことを考えながら、カツカツと小走りにヒール音を響かせながらエレベーターに向かって。
「▼」のボタンを連打する指を、早く来い…と焦る指を、オフィスから逃げ出した私の気持ちが後押しする。
上のフロアに行っていた箱が、降りてくる回数表示をひとつずつ減らしながら近付いてくる時間が、普段よりも遅く感じて。
やっと開いたエレベーターの扉に滑り込んで、「閉」のボタンを同じように連打した時。
Ｎ「お前、ふざけんなよ！！！」
二宮の大きい声が聞こえてきた。
エレベーターが降下していく間、私の頭を占めていたのは、さっき聞こえた二宮の声。
考えなくても、私に向けられた言葉なんだろうな…なんて、苦笑いしか出てこない。
１階ずつ離れていくエレベーターが、私と二宮の距離みたいで。
こうして人って離れていくのかな…なんて考えると、やっぱり悲しくなってくる。
ポン…と軽快とも感じられる音が鳴って扉が開くと、ビルのエントランスが目の前に広がって。
トイレに駆け込んで崩れた化粧を直す気にもなれなくて、そのままビルの外に出れば。
川「……えっ！？Aさん！？」
佐「……えっ！？どうしました！？」
オフィスに戻ってきた川島さんと、何故か一緒にいる板倉商事の佐藤さんが驚いた顔をしていて。
Ｓ「……………」
腕を組んで難しい顔した櫻井さんが、真っ直ぐ私の目の前まで歩み寄ってきて。
Ｓ「……砕けちゃった？」
ゆら…と瞳を揺らした。
◇131 (2017/03/24)→←◇129 (2017/03/23)
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やっち(プロフ) - お互い好きだったんですか！？凄く甘々になって羨ましい〜 (2022年3月29日 22時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 随分前に読んでから好きで、最近ふと読みたくなってまた来ました。大好きです。 (2020年5月3日 10時) (レス) id: 2cd5a2ef25 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ebi信号さん» コメントありがとうです^^ 電車で読まれてのですね(笑) 私もこの翔さんには可愛がられたいのでお気持ちお察しです(笑) 楽しんで頂けたようなので本当に嬉しいです。他作品へのコメもありがとうございます！^^ (2019年10月12日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - はい、ダメー。電車で読んじゃダメなヤツー！じわる涙我慢してたのに『くそ可愛がって貰え』って言葉で本気でウッって声が出ちゃったよ。隣にいた大学生の不審な目！もぉーやだ。お家帰って、もっかい読みなおしますー。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 15817c11d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 夏鈴さん» 楽しんで頂けたようで嬉しいです♪ …って１日で！？それは有難いやら恥ずかしいやら…(笑) 私の想像＆妄想の世界を楽しんで頂けてホッとしています。そしてある程度のエロも欲しいよねと握手を交わせそうです(笑) (2018年8月22日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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