◇125 (2017/03/22) ページ27
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……二宮」
今まで、名前を呼ぶだけでこんなに緊張した事があっただろうか…。
ピク…と私の声に体を揺らした二宮は、少しだけ顔をこちらに向けて、視線だけで私に返事をした。
「あのさ……ちょっと時間ある？」
Ｎ「……なんで」
語尾の下がった冷たい言い方に、私の心が折れかける。
でも、そんな事を言ってる場合じゃない…とグッと堪える私に、尚も二宮の冷たい視線が向けられる。
「あの、二宮に聞いて欲しい事…というか、聞きたい事も、あって」
Ｎ「俺には無いけど」
私の言葉を遮るように放たれた言葉が、それと共に私から逸らされた視線が。
あまりに冷たい二宮が、私にとっては初めての経験で、やっと決心できたモノがグラついてくる。
「そんなに時間取らせないから」
Ｎ「だったらココで話せば？」
私に戻ってきた視線は、今まで見た事が無い冷たさを纏っていて。
出来ればココじゃないトコで話したい…って思っている私を諦めさせるかのように、二宮は体を動かす事も無くて。
ぐ…って、変な音が喉の奥で鳴った。
それでも。
もし、二宮とちゃんと向き合えるのが最後になってしまうかもしれないなら。
私はココで引く訳にはいかない。
「ココだと話しにくいから…仕事終わるの待ってるから…少しで良いんだけど…」
Ｎ「俺にはそこまでして話したいコト、無いんですけどね」
向こう側の席に座ってる山田とか、近くの席に座ってる同僚が息を飲んでる…というか、固まってるのが視界の端に見えて。
ココまで冷たい二宮を見るのが、私も含めてみんな初めてだから、戸惑いを隠せなくて。
チラ…と山田の心配そうな視線が私に向けられてるのも見えるし、何なら奥の方の席で相葉さんがビクッ！と体を強張らせたのも見えて。
「……ちょっと位いいじゃん」
Ｎ「だから、俺には無えの」
「だったら、せめて聞いてよ」
Ｎ「なんで俺がお前の話を聞いてやらなきゃいけないの…他のヤツにでも聞かせてやりなさいよ」
俺には関係ない、っていうスタンスを崩さない二宮に。
悲しいを通り越して、苛つき始めて、なんなら怒りすら湧いてきて。
「……ココじゃ言いにくい」
Ｎ「言いにくい話なんて聞きたくない」
ほとんど八つ当たりに近いかもしれないけど、頑なな二宮に我慢ならなくなった。
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やっち(プロフ) - お互い好きだったんですか！？凄く甘々になって羨ましい〜 (2022年3月29日 22時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 随分前に読んでから好きで、最近ふと読みたくなってまた来ました。大好きです。 (2020年5月3日 10時) (レス) id: 2cd5a2ef25 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ebi信号さん» コメントありがとうです^^ 電車で読まれてのですね(笑) 私もこの翔さんには可愛がられたいのでお気持ちお察しです(笑) 楽しんで頂けたようなので本当に嬉しいです。他作品へのコメもありがとうございます！^^ (2019年10月12日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - はい、ダメー。電車で読んじゃダメなヤツー！じわる涙我慢してたのに『くそ可愛がって貰え』って言葉で本気でウッって声が出ちゃったよ。隣にいた大学生の不審な目！もぉーやだ。お家帰って、もっかい読みなおしますー。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 15817c11d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 夏鈴さん» 楽しんで頂けたようで嬉しいです♪ …って１日で！？それは有難いやら恥ずかしいやら…(笑) 私の想像＆妄想の世界を楽しんで頂けてホッとしています。そしてある程度のエロも欲しいよねと握手を交わせそうです(笑) (2018年8月22日 3時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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