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Ｓ「それでね…ちょっと諸事情あって、俺の事も外では苗字呼びしないで欲しいんだよね」
「……そうなんですか？」
Ｓ「まぁ…昔からの知り合いなんかは問題無いんだけど、ちょっとね…苗字で呼ばれたくなくてね」
「……じゃあ、何てお呼びすれば」
Ｓ「みんなは大体…翔さんか翔ちゃんって呼ぶから…まぁ、どっちでも良いけど」
「……じゃあ、翔さん、にします」
Ｓ「……ん」
そんな話をしながら、現段階で記入可能な書類を片付けて。
渡した書類をトントンとテーブルで揃える櫻井さ…じゃなかった、翔さんの長い睫毛が伏せられてて。
その少し俯いた感じとか、最初に会った時の強い視線なんかが。
やっぱりどこか見覚えがあって。
「……………」
Ｓ「……ん？どうした？」
「……いえ」
それを質問するには私は新参者過ぎて。
残りの書類を貰った封筒に入れて、自分の鞄に片付ければ。
櫻井さんはカフェラテをごくりと飲んで、ふぅ…と息を吐いていた。
Ｓ「ちょっと縛りが多くて申し訳ないけど…頑張って勤務し続けてくれると有難い」
「……はい」
Ｓ「本格的に採用になったら、今は話せない事でもキミに伝えられる事は増えるから、仕事もやりやすくなると思うし」
「……はい」
Ｓ「あと…コレだけは覚えておいて欲しいんだけど…」
右手の人差し指で自分の唇に触れながら、私の様子を窺うように上目遣いで。
若干、言おうかどうしようか迷ってるような空気も感じられて。
Ｓ「ちょっと言い方悪いかもしれないけど…全員クセあるから気を付けて…と言うか、早めに扱い方を身に付けてくれると有難い」
「……え？」
Ｓ「……もうさ、正直大変なの」
「……え？」
Ｓ「ホントあいつらさ…言う事は聞かねえし…自由奔放というか…無茶ブリ多いというか…」
「……え？」
Ｓ「話す事全部感覚的だし…仕事に対しては容赦ねえからアシスタント採用しても１ヵ月持たねえし…」
がっくりと項垂れながらブツブツとひとり言のように話し続ける翔さんが。
言ってる事を聞けば聞く程、なんだか可哀想に感じてくるのは、きっと気のせいじゃなくて。
Ｓ「おまけに拘り強いの多いから、夜中だろうが何だろうが遠慮なく電話寄越すからプライベートの時間なんて有って無いようなモンだし…」
「……………」
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やっち(プロフ) - 続きが読みたいです (2022年3月30日 6時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 卯奈さん» ありがとうございます！…って、わ〜(汗) そうですよねぇ…現状いつになるやらですが頑張りますね！ (2018年4月9日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
卯奈(プロフ) - とっても面白いです！でも次章がなくて一瞬がっかりしちゃいました。更新待ってますねー (2018年4月6日 18時) (レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のあさん» ありがとうございます！…とはいえ続きの更新がされてなくてガッカリされましたよね(汗) 現在更新中のお話が落ち着き次第カタカタしようと思っておりますゆえ、お待ち頂けるとありがたいです┏〇)) (2018年1月27日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ドキドキしてとても楽しかったです！次の更新も楽しみにしてます！！！ (2018年1月26日 14時) (レス) id: aa634c2ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒衣
| 作成日時：2017年3月1日 0時
