◇43 ページ43
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
先を行く翔さんの後ろをついて行くと、その細い路地は綺麗に手入れされてて。
ビルの後ろに向かって、大きめの丸い石が歩く場所を指し示すように並んでいて、子供の頃の横断歩道でやってた「落ちたら負け」っていう遊びを連想させる。
その大きめの丸い石の間は小さい白石で埋め尽くされていて、路地の両サイドには等間隔に草花なんかが植えられていて。
この近代的なビルとはまるで別世界の空間がその路地には広がっているようだった。
ビルの裏手には、でっかいマンションの入口みたいな大きい自動ドアが現れた。
ガラスと扉で合計４面の大きい入口は、中央の２枚が……木を使っているのだとしたら相当大きい一枚板だけれど……木目調のもの、その両サイドには中の灯りが漏れてくるけど中は見えないような擦りガラスになっていて。
その扉の横にある壁面に、キーＢＯＸのような小さい四角形が埋め込まれていて、翔さんはその前で足を止めると、私の方に振り返った。
Ｓ「はい、コレ」
翔さんが私に差し出してきたのは１枚のカードで、黒一色のカードの中央には「ＨＡＴＣＨ」のロゴマークだけが描かれていた。
私がそれを受け取ると、翔さんは自分の財布から、今渡されたのと同じサイズのカード……翔さんが取り出したのは私と色違いの赤だったけれど……を取り出して、そのキーＢＯＸのようなモノの上にそれをかざした。
Ｓ「ソレを、こうしてかざす」
翔さんがＢＯＸにカードをかざすと、それを認識したのか、ＢＯＸには一瞬だけ「ＨＡＴＣＨ」のマークが浮かび上がって、消えると同時に自動ドアが静かに開いた。
「分かった？」と言っているみたいに、首を傾げながら片方の口元だけ上げた翔さんに、頷いて返事をすると、フッ……と微笑んでその足を自動ドアの先に進めた。
自動ドアの先には、会社の受付ブースのようなものがあって、そこに１台の内線電話と案内板が用意されていて、案内板にはいくつか部署名が記載されていた。
Ｓ「ここの自動ドアね、そのままでも開くんだけどさ……カードで解除しないとエレベーターが使えないようになってんだよね」
「……ハイテク」
Ｓ「だからね、お客様にはここから内線掛けてもらって、対応するヤツが来ない限りはエレベーターも開かない……ってコト」
「……なるほど」
まさに、未知なる世界だ……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1572人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっち(プロフ) - 続きが読みたいです (2022年3月30日 6時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 卯奈さん» ありがとうございます！…って、わ〜(汗) そうですよねぇ…現状いつになるやらですが頑張りますね！ (2018年4月9日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
卯奈(プロフ) - とっても面白いです！でも次章がなくて一瞬がっかりしちゃいました。更新待ってますねー (2018年4月6日 18時) (レス) id: 2ee62e6d6e (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - のあさん» ありがとうございます！…とはいえ続きの更新がされてなくてガッカリされましたよね(汗) 現在更新中のお話が落ち着き次第カタカタしようと思っておりますゆえ、お待ち頂けるとありがたいです┏〇)) (2018年1月27日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - ドキドキしてとても楽しかったです！次の更新も楽しみにしてます！！！ (2018年1月26日 14時) (レス) id: aa634c2ad5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒衣
| 作成日時：2017年3月1日 0時
