◆11 (2017/2/14) ページ11
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そうして誕生日を無事に過ごした俺は、留学先に戻る事になった訳なんだけれども。
Aサンは、相変わらず見送りには来てくれないし。
彼女の事を根掘り葉掘り聞いてきて満足した雅紀は、前回の見送りの様子を忘れてしまったかの如くドッシリ構えていて。
空港で「浮気すんなよー！」と叫んで周りの知らない人達をドン引きさせてたっけ…。
留学先に戻ってからも、俺は帰国前と変わらない生活を送って。
学友というか友人というか、俺を色眼鏡ナシに見てくれる人達に囲まれて留学期間を過ごせた。
くっそ寒い時期なんかは、手ぇ繋いで歩きてえな…なんて考えたり。
くっそ暑い時期なんかは、一緒に海でも行きてえな…なんて考えたり。
そんな事をメールで送る度に。
『勉強しろ』
素っ気ない返事が来て。
『でも行きたい』
どんな顔して送ってきたんだ…っつうメールがその後に届いて。
「……ふふっ、頑張りますよ」
なんてひとり言を吐いてみたり。
素敵な風景のポストカード見つけた時なんかは、向こうにいつ届くかも分からないけど送ってみたり。
『英語分かんないんですけど、日本人なら日本語で書いてもいいと思うんですけど』
そんなメールが来て、やっぱり俺はクスクス笑って。
俺の送るメッセージに彼女から反応があるという事が、俺を頑張らせていたのは間違いなくて。
次に帰国した年末年始までの１年は、割とあっという間に感じていたんだ。
日本で言う年度末には留学期間を終えて帰国する事が決まって。
その報告も含めて年末年始に一時帰国した時は、ずっと彼女にべったり…なんて出来るワケもなく。
代議士先生が忙しいのが影響して、彼女も忙しいと聞かされていて。
昨年よりも細くなってるじゃん…って思いながらも彼女を抱きしめて。
離れてる距離と時間を埋めるように、一緒の時間を過ごして。
俺の耳についてるピアスに触れる彼女が嬉しそうに寂しそうに微笑んで。
彼女の首元で光ってるモノに触れる俺も、きっと彼女と同じような顔をしていて。
暖かくなってきた頃には戻るから…と、彼女の肩に顔を埋める俺の頭を、彼女の手が優しく撫でて。
今回初めて見送りに来てくれた彼女を空港でぎゅうぎゅうに抱き潰して、俺は留学先に戻ったんだ。
ソレが彼女を見た最後。
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やっち(プロフ) - 続きお願いします! (2022年3月27日 20時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
aap(プロフ) - このお話の世界観が大好きです。何度も何度も読み直しています。後編も楽しみに待ってます。 (2021年9月7日 11時) (レス) id: 4a13db19c7 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 後編楽しみに待っています (2020年7月5日 21時) (レス) id: fa0e394fce (このIDを非表示/違反報告)
虹子(プロフ) - こんにちわ。このお話の後半戦は書かれないのですか？続きがとても気になります！待ってますね！ (2019年11月11日 17時) (レス) id: 8a57abc50f (このIDを非表示/違反報告)
ゆぃ(プロフ) - こんばんは。楽しんで拝見させて頂いてます。この続きが気になるのですが、続きは書かないのですか?? (2019年11月5日 20時) (レス) id: f2d39d6227 (このIDを非表示/違反報告)
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