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俺がいつも夜中に目を覚ます時は、決まってカズが夢を見る夜だ。
しのぶが噴水で見つかった日の夜。
明け方とも夜中とも言えねえ時間に半ば強制的に眠りから覚めた俺は、いつものように事務所のソファに腰かけて。
夢と現の間をゆらゆらとまどろんでいる状態でカズを待った。
でも、その夜は。
いくら待ってもカズが姿を現す事は無くて、代わりに俺の傍に来たのは上島のトコの犬型の生き物だけ。
不審に思ってカズの部屋に向かってノックしてみても、全然返事が無く、どうにも不安な気持ちが収まらず、鍵を開けて部屋に入ってみた。
「………カズ？」
月明かりと廊下の灯りでかろうじて見えたのは、ベッドに乗った大きいカタマリ。
少しずつ近寄ってみると、ソレは小刻みに震えていて、毛布に包まったカズだと分かった。
軽やかな足音を立てながらベッドに飛び乗ったあの生き物は、カタマリになったカズに寄り添ってクゥン…と小さな鳴き声を立てて。
その声に顔を上げたカズは、顔をぐしゃぐしゃに濡らして泣いていた。
Ｎ「………しょ…ちゃ……」
絞り出されたような声に弾かれるように駆け寄ると、カズは震えながら俺に手を伸ばしてきて。
痛い位に強くしがみ付いてきて、俺の肩に顔を埋めて嗚咽を漏らした。
Ｎ「……笑っ…た…んだ……、あ、足…落と…して……人魚…だね…って……」
Ｓ「………カズ」
Ｎ「きれ……だろ…って…笑っ…て…」
Ｓ「………うん」
Ｎ「あい…つ……飾っ…た……だ…」
Ｓ「………うん」
Ｎ「おれ…が……足りない……チカラ……あれば……しの…ぶ……」
Ｓ「………」
Ｎ「うっ……ぁあ……しょ…ちゃ…」
Ｓ「いるよ……ココにいるよ」
カズが見たのは、悪夢だった。
断片的に聞こえてくるカズの言葉からは、以前見た予知夢の続きが紡がれて。
自分のチカラが足りなかったばかりに、しのぶが死んでしまったと自分を責めていて…
……いや。
そうせずにはいられなかったんだろう。
カズが泣き続けてる間、ずっと背中を摩って、あの生き物が寄り添って。
泣き疲れて俺の方に凭れかかる様にして意識を手放したカズの前髪を除けると、瞑られた瞳の周りは真っ赤になっていた。
キミの記憶が薄れますように…。
そう願いながら。
俺はカズの額に唇を寄せる。
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黒衣(プロフ) - ジュンさん» 逝ってしまいましたね…ジュンさんのおっしゃるような存在だったと思うので、そりゃあね…書いてる本人が切なくなってましたよ…。ニノちゃんのいろんな場面で傍に居てくれるのは、出来うる限り翔さんが良いな…なんて思ってます。 (2016年11月14日 18時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - しのぶが逝っちゃった。ニノにとってはお姉さんのような母のような師匠のような、どれもそうで違うような、大切な人だったのにね。今回もつくづく翔ちゃんが居てくれて良かったです。 (2016年11月14日 6時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 櫻さとみんさん» わ〜！ありがとうございます！朝から雪ですか！そりゃ寒い…Σ(ﾟдﾟ；)体調などお気を付け下さいね？そこそこな(笑)ムロ鍋美味しそうですよね♪た、多彩！う、嬉しい…(;Д;) 頑張ります！ありがとうございます！ (2016年11月5日 13時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻さとみん(プロフ) - 黒衣さま こちらも楽しみに読ませて頂いています。わが地方 朝から雪です(((・・;) 寒いです！ そこそこな(笑)ムロさんのムロ鍋 食べさせて下さい！ 多彩な黒衣作品 これからも楽しみにしてますね(^^)v (2016年11月5日 8時) (レス) id: 05f33a3645 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» ムロさん、来ちゃいました。潤くん大好きですからね(笑) しのぶさん、こき使ってますしね。翔さんも潤くんもニノちゃんになんだかんだ甘い(笑) 楽しんでもらえてるみたいで嬉しいです(*>ω<*) ありがとうございます！ (2016年10月26日 1時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒衣
| 作成日時：2016年9月13日 22時
