◇7 ページ17
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近鋭い視線の元が増えた…。
重役達のお世話を毎日嫌そうな顔ひとつせずにこなしている同期で秘書課の林さん。
ウチの会社の看板なだけあって、壮絶な美人だし英語も堪能、取引先の人にもナンパされてる。
以前、仕事帰りに飲みに行った焼き鳥屋から出た時に林さんと遭遇して、鼻で笑われてからはご一緒した事はありません。
仕事の都合でウチの部署にはよく顔を出す時、睨まれたり無視されたり時にはぶつかられたりしてるけど、私何かしましたか(怒)
時々勇気を振り絞って櫻井さんをランチに誘おうとすると、どこからともなく現れては颯爽と櫻井さんに歩み寄り。
林「お昼ご一緒しませんか？」
ウソみたいな柔らかい微笑みを櫻井さんに見せて、私を横目でチラリと見るし。
私と自分を比べて何が楽しいのか分からないけど、バカにしたような眼をされるのは気に食わない。
林「あら、いらっしゃったの？」
とか言いながら、私のおやつを床に落とした事は未だに恨んでいる。
林「おはようございます」
今日も綺麗(能面に見える)な笑顔を張り付けて、背筋伸ばして歩く姿はもはや大奥のお局にしか見えない。
Ｓ『随分懐かれてんね(笑)』
どこをどう見たらそう見えるのか…。
佐「あいつ、凄えな…」
美「根気強いというか…」
佐「ドＳでしょ、アレ…」
美「否定は出来ませんね…」
オフィスの入口で人気５人組の１人を捕まえてる林さんを横目に、いつの間にか仲良くなってる佐藤と美貴ちゃんが話し掛けてきて、私の肩をポンと叩いて去っていった…。
もうホントなんなんだ…。
チラ見してくる林さんを無視して、来週開始の中途採用の資料作りを黙々と進めていたら、いつの間にか定時をかなり過ぎていて。
フロアには人の姿も無かった。
櫻井さんのデスクを見ると、椅子には掛けられたジャケット。
デスクに近寄ると、膨大な量をまとめ終わったデータ。
いくら怖いとはいえ好きな人だ。
全然話せない日が続くとちょっと心折れそう…。
そっと櫻井さんのジャケットに顔を埋めると、少し懐かしくなってしまった櫻井さんの香り。
その香りにフッと目の前が滲んで。
自分が淋しかった事や、櫻井さんのトクベツになりたいって気持ちを嫌でも知る。
ふと目を上げると時刻はもうすぐ終電。
もしかしたら…。
願いも含んだ気持ちを胸に、私は仮眠室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 489人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» ありがとうございます♪スベスベお肌で色気いっぱいですもの！(笑) 可愛いすぎて(″ﾉдﾉ） (2016年9月8日 0時) (
レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - オマケ話、確かにニノちゃんはそこらの女子より女子！イケるよねー！ (2016年9月7日 23時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» ありがとうございます！スーツって良いですよね♪余裕が感じられる人からのヤキモチって萌えます(笑) 楽しんでもらえたみたいで嬉しいです(〃∀〃) (2016年9月4日 16時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - ひゃーー！とりあえずニノちゃんのお話いただきました！上司ニノちゃん、いいわー！スーツ姿って本当に萌える！エロいニノちゃんもホントに大好きです〜。余裕があって、でもちょっとヤキモチやくなんてズルいわ！大好き！ (2016年9月3日 23時) (レス) id: 4c513d08fd (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - どさんこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてすごく嬉しい！違いが出せるかが課題だったのでありがたい上に読み応えとか…(´pωq｀) オフィスラブ良いですよね♪私も好きです♪ (2016年9月3日 20時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒衣
| 作成日時：2016年9月1日 6時
