卒業証書 ページ18
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「おぅ、おかえり〜♪
卒業、おめでと〜！」
びっくりした。
帰ってきてるなんて聞いてない。
声の主のその人は。
３歳年上で、就職で上京していって、仕事と遊びが余程忙しいのか、盆と正月の数日しか帰って来ない薄情な、兄。
私が高校生までは周りが引くほどに私を溺愛していて、悪い虫が付かないようにと散々ガードをされていたものだった。今でも時々電話とかメールとかしてたけど、今日帰ってくるなんて聞いてない。
そう思って、卒業式に来てくれた母の顔を見たら、視線を逸らして肩を上げたから、どうやら私が内緒にされていたみたいだ。
帰って来るなら言ってくれればいいのに、とプリプリしながら隣に座ったら、向日葵みたいな笑顔でうひゃうひゃ笑う。
「チャーハン作りに来たんだ♪
A、オレの好きでしょ？」
そう言うと腕捲りしながらキッチンに逃げて、母と楽しそうにワイワイしながら料理を始めたから、私は小さく溜息をついて、着替えに部屋に戻ろうとした。
写真撮ってないからダメ！
どうしても写真を撮りたいのだろう彼は、様々な理由を言っては私をリビングに残るように言って、父も母も引かせていて。
食事中もニッコニコしながら私を見てはデレていて。
もう苦笑いしか出てこない…(笑)
食事を終えて、いろんな角度から写真を撮って満足した兄を見て、私は溜息を付きながら部屋に戻った。
正直、ドキドキしている。
私は、兄が好きだから。
着替えを済まし床に座ると部屋をノックする音。返事をすると扉が開き、ひょこっと兄が顔を覗かせなが、部屋に入っても良いかお伺いを立ててくる。
うん、と頷くと相変わらず向日葵みたいな笑顔を見せて、この家に住んでいた時のように私のベッドに乗っかってごろりと転がる。
「Aも卒業かぁ…
大人になったねえ…」
左肘を立てて掌に頭を乗せている姿を見ていると、昔の面影を思い出して胸がギュッと切なくなって膝の上で握った自分の拳に視線を落とす。
「そろそろさ、妹、やめる？」
その言葉にハッとして顔を上げると、ベッドに転がった姿勢のまま、表情だけが大人の男の人になっていて。
自分の顔が熱くなるのが分かる。
そう言うとベッドから降りて私の横にしゃがんで。
間近に彼の顔。
ふっと唇が触れて。
「もう知ってるんでしょ？
Aが妹じゃないって…
オレ、待ってたんだかんね？」
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黒衣(プロフ) - ebi信号さん» コメントありがとうございます^^ 随分前の作品ですが、楽しんで頂けたようで良かったです☆ 狐くんも気に入って頂けたようで、書いていた当時に私も神様になりたいなぁと思っていたことを思い出しました。ありがとうございます^^ (2019年10月12日 0時) (
レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - いや、何これ…くっそ面白ろかったんですけど？ 久々にワクワクしちゃって、口角下がらない私、キッモ！ 色んな目線で新鮮ー♪まぁ、神様になりたいと思った事は狐くんには内緒にしてね。(*´ - `) (2019年8月31日 10時) (レス) id: 15817c11d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ほっしさん» コメントありがとうございます(*^^*)♪ そう言って頂けると書き手冥利に尽きます！嬉しい♪(//∇//) まだヒヨッコですが可愛がって下さい(笑) なるほど大宮！良いですよね！素敵ですよね！可愛いですよね！(//∇//) お楽しみ頂けるように頑張ります♪ (2016年8月11日 21時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
ほっし(プロフ) - 黒衣様初めまして(*´∀`)♪黒衣さんのお話全部大好きです(*´ω｀*)私が好きなコンビはお山コンビも好きなのですが、やっぱり一番は大宮コンビです(*´ー｀*)これからもお話楽しみにしてます(*^^*) (2016年8月11日 20時) (レス) id: 31ca455b1e (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - ジュンさん» こちらも読んで頂いてるんですね♪ありがとうございます！檸檬水、安定ですな(笑) ハルちゃんへの語りなんですよd(^-^) ダブルワンちゃん萌えますね！(笑) (2016年7月14日 10時) (レス) id: 3e7f7417c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒衣
| 作成日時：2016年6月27日 11時
