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◆SIDE-YOU◆
「入学後２ヶ月以内に所属する部活動を決める」必要があるらしく、どの部活も決め手が無いまま１ヵ月が過ぎようとしていた。
自分のチカラがバレないように発揮する運動神経はソコソコにしていたし、かと言って知識が多いって事もバレると翔くんみたいになっちゃうし。
なんとなく学校の敷地内をプラプラしていた時。
＜奥の陽当たりの良い樹
仲間に、なるかもよ？＞
智くんからの声が聴こえた。
誘導してもらいながら、その場所に向かいながら「どうして私だけに言ったのか」不思議だった。
そうして着いたその場所は、敷地内の奥の、とても陽当たりが良くて、大きな樹のある場所。
その樹の根元。
木漏れ日が射す場所に。
ひとり、寝っ転がっている。
片手を少し上げ、その指先には小鳥がとまっていて、寝転んでる彼の周りには、数羽の小鳥たちがいる。
微笑みながら、何か話しているようにも見えたけど、小鳥は私を見つけると飛び立ってしまった。
それを合図にするかのように、その人は上体を起こしてこちらを見た。
金髪に近い茶色い髪が、陽の光でキラキラして、風にそよいでサラサラなのが分かる。
黒目がちな瞳が、じっとこちらを見て、にかっと笑顔になった彼につられて、私も笑顔になってしまった。
「おいでおいで」と手招きされ、周囲をみると他に人はいないから、どうやら私のようだ。
彼の近くまで来ると、胡坐をかいて地面に座る。
「新入生？迷子になった？」
心配そうな表情で私に話しかけた。
知り合いにこの場所を教えてもらった事を告げると、陽当たり良くてイイよね、と微笑んだ。
表情や仕草から、なんとなくイイ人なんだろうなという事が伝わってくる。
この場所がお気に入りで、人があまり来ないから居心地が良い事、出来れば秘密ね♪と彼は言った。
そして、ハッとして樹を見上げると。
小さい声で「そっか」というと、私に太陽みたいな向日葵みたいな笑顔を向けて。
「リーダーの知り合いなんだね♪」
そんな訳の分からない事を言った。
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