◇8 ページ44
◆SIDE-YOU◆
それから。
翔くんが満足するまで翻弄された私は。
足腰が立たなくなって、翔くんにおぶられて帰宅する羽目になった…。
ごめんごめん、と口では言いつつも、何故か翔くんは楽しそうにしていて。
いつもだったら、こんな状況、考えられないのにどうしてだろう…。
「そういや、お前さぁ…
このまま帰ったら超はずいな(笑)
みんなに筒抜け(笑)
頭のスイッチ途中切れてたぞ(笑)」
……………はい？
「殆ど何も考えられなかった
みたいな感じだったけど
途中さ、気持ち良かったろ？
もっと、もっと…ってさ(笑)
やっぱ相変わらず
突発的な事には弱いんだな？」
……………○×＄▼◇＃！！！
恥ずかしさのあまり、翔くんの背中で暴れる。……けど、貧血みたいにクラクラして、慌てて肩につかまる。
そういえば。
翔くんはどうして、こんなに元気に歩けるんだ？
疑問をぶつけてみる。
「あぁ、その事ね…。
いやぁ…、まぁ、そのアレだ。
俺さ、キスでチカラ奪えるの。
奪ったチカラそのまま
奪った分だけ使えるからさ…。
Aのチカラ
貰った上に使ったら
治りが早いかなぁ…って、イテェ！」
そんな！
実験みたいなコトに！
私のファーストキスを！(怒)
「ちょっ！おまっ！
殴んなよっ！イテェ！
そもそもなぁ！！
お前が俺の言う事を
ちゃんと聞いてりゃ良かったんだ！
そうすりゃあ
俺も怪我しなかったし！
お前もしなくて済んだんだろ！！」
……………うっ…。た、確かに…。
「それに悪ぃけど、
俺は後悔とか、全くしてないから。
Aのハジメテの男だし？
最初にヘタクソな奴にされるより
気持ち良い方が絶対いいだろ！！
まぁ？
シた感じ？
俺ら、相性良さそうだからな(笑)」
……………へ…？
「それに！
俺がこれからどんな目に遭うか！
もしかしたら
明日の朝日は拝めないかも
しれないんだからな〜〜！(泣)」
そうして施設に戻ると。
玄関では腕組みをして鬼の形相をした潤と和也。
室内には、さめざめ泣いている雅紀くんと慰める智くん。
そして。
「ハジメテを気持ち良い
記憶にしてやって何が悪い！！！」
結局、翔くんは逆ギレして、みんなとギャアギャア騒いで叱られていた…。
from 「Force/superfly」
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