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◆SIDE-YOU◆
再起不能に近い状態の翔くんをほったらかしにして、智は話を続ける。
＜あのさ、おいら思うんだけど＞
≪……はい≫
＜さっき
翔ちゃんが口尖らせるまではね？＞
≪……はい≫
＜Aちゃんの考え、分からなかったの＞
≪……ほう、そういう事ですか≫
蹲った翔くんは「どういう事？」という顔を上げる。
＜お互いに信頼していないと〜＞
≪お互いの考えは分からないって事≫
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それからは時々翔くんと智くんと話すようになった。
信じてる相手とは頭の中がずっと繋がるらしく、今までは頭の中で話せる相手がいなかったから嬉しくて、時間を忘れて話し続ける時もあった。
それから、翔くんと智くんに教えてもらった事。
外に出る時はチカラを抑制するリングを左腕に付けられるらしい。
それがこの建物やドアやガラスにも装備されているようで、自力での脱出は難しいらしい。
私達がいる建物とは別にチカラのコントロールを「練習」する大きな建物がある。
「練習」している時は、まるで「試験」のようで、データも取られているように感じるみたい。
翔くんは炎を、智くんは水を操るということ。
「対極なのにね」とふたり共微笑んでいて、何故か少し悲しそうだった。
そして翔の眼鏡とピアスは、リングを同じ役割なんだということ。
「短気だから」と智くんがクスクス笑いながら教えてくれた。
そして私は自分のチカラをどこまで使いこなしているのかを聞かれた。
「この人」と決めた人の考えを知る事が出来るということ。
翔くんが試したように、私の頭の中に話しかけようとした事が聴けること。
ボーっとしていると周囲の頭の中が勝手に聴こえる事があってヘッドフォンをしているということと、その範囲がどの程度なのかは分からないということ。
そして、いつからココにいるか分からないということ。
翔くんも智くんも、ココに来た時は私が居た、と言っていた。
ふたり共、途中からココに来た「オトモダチ」らしい。
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