今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:64,024 hit
小｜中｜大
◆2 ページ24
◆SIDE-O◆
暫くそうしていると。
髪を撫でる優しい風が吹く。
ふっ、と唇に触れて。
瞳を開く。
目の前には、ちょっと驚いた顔。
背中には、大きな翼。
「じゃあ行こうか」と言うと、
彼女は美しく微笑んだ。
Aは瞳も翼もシルバーで。
初めて目にするその姿は、
とても綺麗で、とても美しい。
オレは何回か飛んだ事あるけど、Aは初めてだからか、すげぇモタついてて緊張してて可愛い。
お迎えはオレにしか出来ない。
羽ばたき始めたら先に進むしかない。
あとはAの蒼と白を「振り返らない」って気持ちと。
あいつらの声に任せるだけ。
お迎えホントは心配だったんだよなぁ。
心に入って本当のA見たら、堕ちる予感しかしなかったし。
Aは、ちゃんと飛べる。
ココでも、本当の世界でも。
それを思うと、ちくっと胸が痛ぇ。
鳥籠の近くまで飛ぶと、先に見える光から綺麗な歌声とAを呼ぶ違う声がする。
オレの方を見て
≪このまま進むんだよね？≫
そう聴こえて、少し寂しい。
「本当の世界でも大丈夫だよ
Aには仲間がいるから」
『…一緒に戻るんだよね？』
そんなに心配そうに見ないで。
「行き来できるし、おいら」
Aの視線から逃れるように、すっと横を向く。
『…一緒に戻るんだよね？』
オレの手を握りながら不安そうに聞く。
我慢出来なくて、Aの腕を引いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
