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◆SIDE-A◆
そしてオレは、キミを見つける。
駈け込んだ場所はシェルター。
大きな円柱状の水槽に微笑みながら
浮かぶキミ。
体には幾つもの線が繋がれ、操作盤のようなモノは見当たらない。
オレはその水槽に走り寄って
両手を当てる。
そこから流れ込んできたのは。
この為にオレもキミも産まれたコト。
それを先生と呼ばれたキミの父が
全部計画していたコト。
その実験の為にこの建物があるコト。
その研究を行っていた人達の中に、オレに父と母と呼ばれたモノもいたコト。
そして。
無理に破壊すると
キミが死んでしまうコトと。
「どこかでまた会えるよ」って
キミの声。
そしてオレは。
その全部に耐えられなくて、
泣くように叫んで。
ココを森の奥深くに創り変えて。
意識を手放して。
またオレはキミを忘れるんだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「……っ、…………ろ！
…………こい！……っ！
……ってこい！雅紀！」
全身を揺さぶられて、ハッとする。
どうやら寝てたみたい。
ボーっとしながらも、全身汗だくなコトに気付く。
なんか体がダルい。
全力疾走した後みたいに疲れを感じる。
「おいっ！雅紀！
大丈夫か！？戻ってきてるか！？」
目の前には馴染みの２人の顔。
あぁ、そうだ…今日は色々教えてもらう日だったんだっけ…。
「うん…おはよう…
なんか、汗すごいね…」
リーダーが心配そうな顔してるから笑ってみたけど、心配顔のままふにゃりと微笑んだだけだった。
いつも心配かけっぱなしだなぁ…。
「お前…、大丈夫かよ…
今日やっぱ止めとくか？」
ふふふっ、
翔ちゃんも大概心配性だよね…いっつもオレのお世話してくれてさ…。
って思いながら、
翔ちゃんの方に顔を向ける。
「大丈夫…だよ…って…あれ…」
あれ？
なんでだろ？
なんか、翔ちゃんの顔見たら、急に胸がグッて苦しくなって、涙が止まんない…。
ピキッ！て音でもしそうな感じに翔ちゃんは固まってて、それを見てリーダーも笑ってる。
「………怖い夢でも見た？」
リーダーに優しく聞かれて。
夢？
見てないよ？
覚えてないし。
う〜ん…
思い出せないな…。
そうして、哀しそうに微笑んだ。
from 「monochrome/浜崎あゆみ」
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