猟奇的なキスを私にして (ページ1)

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first kiss 南野拓実ページ1

喫茶店のカフェで俺は睨んでた
目の前の彼女は書類に目を通しては、何かを書き写していく
みてもどうせわからん
何語かもわからん

南野「ねぇ、Aさん。まだ終わらんの？」

「終わりませーん。あなたにはわからないでしょーけど」

南野「いつもそうやな。いつもそーゆう…」

「わかんないじゃん」

いつもや
いつも、あなたにはわからないでしょって言う
年がほんの少し年上なだけのくせに
偉そうにしてる

素直じゃないし
だいたいイライラしてるし、乱暴だし
口悪いしなに考えてるか本当にわからへん
わからない

でも。だけど。

フワッと柔らかい香りがした
Aさんの香水だ
髪をかきあげる仕草はいつも色っぽい

こんなキツイのにやっぱり女の人で、こういう女性らしい香りが好きなとことか

照れてるだけで、本当は嬉しがってるとことか

全部俺だけ知ってんの…かな？
でも俺はしってる
ただ見栄張ってるだけなんだ
自信があるように見せてるだけで、繊細な女の人なんだ

「はぁっ」

ため息をついて資料を放り投げた
終わったんやろか

「拓実」

次の瞬間思いっきりシャツの襟元掴まれて、ぐいっと寄せられる
気づけば目の前にAさんの顔があった

あ～…またやな
来ると思った

髪の毛を片方に寄せて、黒い瞳の上目遣いでこう言う

「キス。して？」

俺はいつも逆らえん
いつでも魅了されている

そんな俺の愛しい猟奇的な彼女