東京見物4 ページ39
福本が人数分のシベリアを頼んでしばらく経った。
女給「お待たせいたしました。シベリアでございます。」
菓子屋の女給が紅茶と共に白い皿にシベリアを一切れ乗せて持ってきた。
田「紅茶と一緒に食べるのか。なかなか洒落てるじゃないか。」
秋「これが、シベリア・・・。」
小「秋山は食べたことがないのか？」
秋「うん。噂には聞いていたけど、初めて食べるな。」
シベリアとは、簡単に言えば餡子をカステラで挟んだ菓子である。
見た目はまるでケーキのようだ。
3層に分かれており、最上層と最下層は黄色い柔らかなカステラ。
カステラの間に挟んでいる真ん中の層は餡子が羊羹のように凝集され、寸分の隙間なく敷き詰められている。
福「そう、これだ。やっと・・・食べられる。」
福本は感慨深いようにつぶやいた。
波「まあ、食べようぜ。」
秋「いただきます！」
秋山はフォークでシベリアを一口大に切り、口に運んだ。
秋「！！美味しい！なんだろう、シャリシャリしてる。」
波「本当だ、確かに美味い。それにひんやりとしている。・・・このシャリ感は餡子だよな？」
福「ふむ・・・餡子の中に砂糖の結晶を入れることによってこの食感を生み出しているのだろうか。」
小「シベリアは何度か食べたことがあるが、今までで一番美味いかもしれない。」
田「流石、評判の店だというだけあるな。紅茶もシベリアと良く合っている。」
福「柔らかいカステラの層が餡子の食感を引き立てている。カステラ専門店ならではだな。・・・どうにか俺もこのように作れないものか・・・。」
早くも福本は自分が作ることを想定して思案にふけっているようだ。
秋「福本、今度お菓子作る時は是非こんな感じでシベリアを作ってよ。私、福本の作ったシベリアも食べてみたい！」
福「ああ、いいぞ。」
秋「やった！」
波「ほんと、お前って甘いもの好きだよな。」
秋「だって、福本の作るお菓子美味しいし。毎日、訓練してたら甘いもの補給しないとやっていけないよ。」
田「秋山に限らず、女性は総じて甘いものが好きだよな。」
小「脳は体のどの部分よりも糖分を欲しがる。それ故、訓練の後は糖分補給が必要・・・か？」
小田切はニヤリと笑った。
秋「そうそう。その通り。」
波「まあ、確かに菓子は美味いのはわかるけどな。」
波多野は呆れたように秋山を見た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kk10299750(プロフ) - あさん» ありがとうございます！光栄です(^^)頑張って書き進めます！ (2016年10月19日 23時) (
レス) id: 94db77b54b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面 白 か っ た で す 次 が 楽 し み で す (2016年10月19日 16時) (レス) id: ab5963e87e (このIDを非表示/違反報告)
kk10299750(プロフ) - つがるさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)もっと面白い話が書けるように精進いたします！ (2016年10月9日 12時) (レス) id: 94db77b54b (このIDを非表示/違反報告)
つがる - 面白い小説ですね！更新楽しみにしています^ ^頑張って下さい！！ (2016年10月9日 10時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：有馬 | 作成日時：2016年9月26日 23時
