D機関での生活3 ページ16
甘利。
雰囲気や容姿から判断するに、甘利がＤ機関員の中では一番の年長者だろう。
個人主義が強いＤ機関では珍しく、甘利は積極的に人に関わっていこうとするタイプだ。機関員たちのことを色々と気にかけてくれる。
穏やかで人当たりもよく、特に女性に対しては優しい。
秋山と出かける時もさりげなくエスコートしてくれる。
これが大人の男の余裕か、と秋山は感じる。
神永。
品はあるが、どこかやんちゃな少年のような瞳を持つ青年だ。
神永もおそらくは甘利と同じく年長者であろう。童顔であるため見た目はかなり若く見えるが、機関員たちをまとめる兄貴分のような存在だ。
女性からかなりモテる。神永自身も女の子と遊ぶのは好きなようで、しばしば夜の街に繰り出しているのを見る。
見た目や性格から軽薄な男かと思った。しかし、訓練に対しては人一倍熱心に取り組む姿勢を見て、本当は内に熱い思いを秘めているんだな、と秋山は思った。
波多野。
機関員の中では小柄だ。秋山も160cm程度だが、ほとんど身長的には変わらない。
小生意気な性格をしており、秋山は波多野にちょっかいをかけられることが多い。
よく頭の後ろで腕を組む癖がある。先日は授業中に腕を組んでいたため、後ろに重心がかかり椅子から転げ落ちそうになったのがバレて結城中佐ににらまれていた。
体術の達人で、自分よりも大きい相手を軽々と投げ飛ばしてしまう。体術の訓練ではまだ波多野から一本を取れていない。
(うーん、悔しい！)
田崎。
細身で目元の涼しげな青年だ。
手品が得意で、よく「新作の披露だ」とか言って見せてくれる。
田崎は神永の時と逆で、落ち着いているので機関員の中では年上の方だと思った。しかし、考え事をすると手品をしてしまうことや、あせるとたまに周りが見えなくなることがあるので、精神的にはまだ未熟のように思える。
(意外と、機関員の中では私の次に年下なのか・・・？)
Ｄ機関で飼っている鳩の世話はほとんど田崎がやっている。たまに秋山も鳩の世話を手伝う。全ての鳩に名前をつけているようで、よっぽど好きらしい。
こうして考えてみると、共に過ごすうちに、機関員それぞれに人間らしさが見えてきた。
Ｄ機関での訓練が終わり、スパイとして一人前になれば機関員たちは各地に散らばり、任務に就くだろう。下手すれば二度と会わないこともあるかもしれない。
(でも、それまでＤ機関で過ごす刹那の時間を私は大切にしていきたい。)
と、秋山は強く思った。
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kk10299750(プロフ) - あさん» ありがとうございます！光栄です(^^)頑張って書き進めます！ (2016年10月19日 23時) (
レス) id: 94db77b54b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面 白 か っ た で す 次 が 楽 し み で す (2016年10月19日 16時) (レス) id: ab5963e87e (このIDを非表示/違反報告)
kk10299750(プロフ) - つがるさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)もっと面白い話が書けるように精進いたします！ (2016年10月9日 12時) (レス) id: 94db77b54b (このIDを非表示/違反報告)
つがる - 面白い小説ですね！更新楽しみにしています^ ^頑張って下さい！！ (2016年10月9日 10時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有馬 | 作成日時：2016年9月26日 23時
