Heart ache____N.K

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「私に望の気持ちは全て理解出来るわけじゃないからあんまり言えないけどさ……」









「お姉さんに何を言うかは望次第だし、きつく当たってしまったのは無意識でその時にこうするしか無いって勝手に口が動いたんだと思う。だって望は簡単にそんな言葉言わないでしょ？」









A主任は俺の方を向いて首を傾けた。








「だから、なんて声をかけるべきか。は、私にだってわからないけど、望が少しでもお姉さんの事を犯人じゃないと思ってるんだったら信じるべきだよ。」








その仕草は一瞬で、また違う所に目を向ける。









「今の望はどうしたらいいかわからないって頭がごちゃごちゃになってると思う。そんな時は、自分の体に聞いてみると良い。」









「…………体？」









「そう、体。"心に聞け"って言われることが多いけどさ、私は体が1番素直だと思う。頭や心は自分の意思で変える事がすぐ出来るけど、体って無意識に動いて気づけばこうなってた。って事が多い。反射的にとか言うじゃん？」









俺、ずっと頭で考えてた。

どーなんやろって、









「望はさ、お姉さんに電話して会ったとき手錠持ってたでしょ？その時、望の体はどう動いた？………」








あの時、俺の体は動かなかった。
姉ちゃんを捕まえようとしなかった……









「私は信じてるよ。犯人はお姉さんじゃないって、弟が信じないでどーすんの。」









俺は1人で考えて迷いすぎて余計わからんくなってた。
A主任はこうなってる俺の事をわかってたんやろうか。









………はぁ、ほんまにこの人には叶わんなぁ









最後は軽く微笑んで俺の背中をいつものように叩いた。

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