１１話 ページ38
周りを見渡すけど安田くんはいない…
『来るまで待ってるから』
「…嘘つき…」
もう帰っちゃったんだ…
それとも…あの子達とどっか行っちゃったのかな…
その時、『佐藤さん？』と後ろから声をかけられた
でも安田くんの声じゃなかったから体が震えた
恐る恐る振り返るとそこに立っていたのは横山くんだった…
横山「今日ヤスと出掛けるんちゃうん？」
「ぁの…」
横山「ヤス来てへんの？」
「私が…約束の時間…遅れて…」
横山「ちょっと待ってて」
そう言って携帯を取り出して電話をかけ始めた
横山「あ、ヤス？今どこにおるん？
…は？家？」
家…
あの子達と一緒じゃないんだ…
横山「佐藤さん駅前におるけど…」
と、その時横山くんが眉間にしわを寄せて携帯を耳から離した
横山「うるさいわ、お前…
佐藤さん待ってるから早よ来いや」
そう言うと電話を切った
横山「すぐ来ると思うわ」
「ぁ…ありがとう…」
横山「座ったら？」
とベンチを指差された
「ぁ…うん…」
ベンチの左端に座ったら右端に横山くんが座った
でもしばらくすると私のすぐ隣に移動して来た
それに体を震わせると『ちょっとだけ我慢して？』と言われた
その時少し離れたところから『やっぱ彼氏持ちやん』と聴こえた
その方を見ると男の人２人がこっちを見て話してた…
その人達がその場から離れると横山くんも少し距離をとってくれた
「ぁ…ありがとう…」
横山「おん」
もしかしたら安田くんから男性恐怖症のこと聞いてたのかな…
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作者名：明希
| 作成日時：2017年9月20日 17時
