No.126 ページ11
！
もうすぐ春にぃが来る！
起きて準備しとこ。
あれ、なんで机に私の荷物が………？
心「俺が持ってきた。」
『わ、びっくりした！ありがとう。』
心「リカバリーガールから
まだ体調が優れないって聞いたよ。
もう少し寝てたほうが良いんじゃない？」
『ううん、大丈夫だよ。もう平気だし多分そろそろ………』
その時電話が鳴った。
春にぃかな？
リ「迎えが来たみたいだよ。校門まで歩けるかい？」
『はい、余裕です。』
心「俺もついて行って良い？」
『もー、人使は心配性だなあ。別に良いけどー』
心「ありがとう。荷物持つね。」
『あ、それくらい自分で持てるってば！』
リ「お大事にね。」
『はい！ありがとうございました！！』
保健室を出て人使の隣を歩く。
心「………なあ、Aのお兄さんってどんな人？」
『優しくて頼りになるし、すごく家族思いなんだ。
家族の誰かが体調崩した日は学校休もうとするし………
ちょっとした記念日も絶対に忘れないんだ。
だから両親の結婚記念日もお祝いするし、
私が初めて喋った日とかもね、わざわざ………』
心「………A？急に止まってどうした？
やっぱりまだ体調が悪い？」
………久しぶりにお兄ちゃんの話したな。
あんなに家族や周りの人達のことに一生懸命なくせに、
家族の一員である自分のことは全部棚上げ。
1に家族、2に周囲の人………で自分のことは何番目なんだ？
って感じの人。
それなのに、尊敬される、皆が憧れるお兄ちゃんを………
『自分が憎いなぁ………』
心「！？」
―――――殺してしまったこと。
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作者名：紺平糖 | 作成日時：2023年9月4日 11時
