SPEC 覇の回 (ページ5)

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覇の回5 ページ5

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「未詳…？」

「公安部公安第５課未詳事件特別対策係、通称未詳」

「公安…。なんで公安の係長がここに？」

丸山は前述にもあったが、交通部の刑事。

もちろん、ここは交通部の人間しかいない。

他の部署の人間も来るが、その大半が合同捜査をする刑事部の人間ばかり。

同じ刑事でも公安の人間とは接点が殆どない。

「君の上司から面白い話を聞いたんだ」

「面白い、話…？」

「『うちの若い刑事がとある事故を入念に調べてる。ただの事故なら問題ないが、あの案件にはこれ以上首を突っ込んでほしくない』」

壁にもたれる大野は、腕を組みフッと笑った。

「『警察上層部がこれ以上調べるな、と言っている事故をこれ以上調べさせるわけにはいかない。だが人一倍正義感が強い為に口で言っても単独捜査を辞めないだろう』」

丸山は自分のことを言っていると気付いたが、大野の次の言葉を待った。

「君が調べている事故、君はただの事故だと思っていないんだろう？

この事故には何かある。そう思ってる」

大野の言葉に頷く丸山。

そんな丸山を大野は真っ直ぐ見つめる。

その瞳はまるで獲物を狙う蛇のようだ。

「そんなドラマみたいなこと………」

息を呑む丸山に対して、大野はニヤリと笑って続ける。

「………あるよ」

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